マカオで孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病とみられる症例確認=患者は51歳マカオ居民女性

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

 マカオ政府衛生局(SSM)は2月28日、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)からクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の可能性が極めて高いとみられる症例を確認したとの報告があったと発表。今回の患者は孤発性の症例であり、牛肉及び牛肉製品とは無関係で、また一般接触による伝播の可能性もないとし、市民に対して過度な心配をしないよう呼びかけた。

 患者はマカオ居民の女性(51)で、昨年(2023年)12月からめまいや視界がぼやけるといった症状が出現し、今年1月にマカオの医療機関を受診し、CDJが疑われるとして検体を採取して検査を実施したとのこと。2月に入って症状が悪化し、歩けなくなったり問いかけに反応できなくな出どころことから仁伯爵綜合醫院の救急外来を受診し、入院を受けることが決定。2月28日に脳脊髄液検体の検査結果が判明し、プリオン蛋白陽性だったという。

 患者の家族への調査で、家族に類似の症状は出現しておらず、患者は長期にわたって外国に居住したことも輸血や手術を受けたことはないとの説明があり、患者の病歴、臨床症状、検査結果から、孤発性CDJの可能性が極めて高いという診断を下すに至ったとのこと。

 同局では、患者は直近の仁伯爵綜合醫院入院中に手術をしておらず、プリオンに汚染された医療器具からの伝播を考慮し、一時性の侵入性の器具を使用し、使用済みの器具は感染性廃棄物として高温焼却処理を行ったとした。

 同局によれば、孤発性CDJは世界各地でおよそ100万人に1〜1.5人の割合で発症するとのこと。マカオにおける以前の症例確認は2012年、2017年、2019年と今年1月に報告された4例のみという。

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