「有馬 兵衛の 向陽閣へ♪」あのCMソングも歌った、仲宗根美樹さん死去 キレのある声、関西人になじみ深く

仲宗根美樹さんの「銀座でツイスト」(提供写真)

 「有馬 兵衛の 向陽閣へ♪」。24日に79歳で亡くなった歌手の仲宗根美樹さんは、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「兵衛向陽閣」のCMソングを歌ったことでも知られる。

 CMソングは「浪花のモーツァルト」で知られるキダ・タローさんが作曲。親しみやすいメロディー、仲宗根さんのキレのある歌声は関西人になじみ深く、最近でも「関西人なら思わず歌ってしまうCMソング」などとしてSNS上でも話題になった。

 同旅館の取締役宿泊部長、岸本宏史さん(59)によると、曲は1962年ごろに作られたとみられ、CMソングとして使われた。近年、CMは数年に一度流すだけというが、以前は関西だけでなく、東京や名古屋でも頻繁に流れ、仲宗根さんの歌声が同旅館の知名度アップに貢献した。

 仲宗根さんは61年に歌手デビューし「川は流れる」がヒット。同年の日本レコード大賞新人賞奨励賞に輝いた。「なぜ仲宗根さんにCMソングを歌っていただけたのか、今となっては分からない」と岸本さん。「今でも多くの人たちの記憶に残る、インパクトのあるCMソングを歌っていただき、感謝しかありません」と話した。(藤森恵一郎)

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