元民放連会長が第69回前島密賞を受賞!TVerの創始に貢献 / Screens

公益財団法人通信文化協会が主催し、情報通信と放送事業の進歩発展への功績を顕彰する「第69回前島密賞」が2月28日に決定。元株式会社東京放送(現TBSテレビ)代表取締役社長、元日本民間放送連盟会長の井上弘氏他、31名が受賞した。

井上氏は、民放テレビの統一プラットフォーム「TVer」の創始に貢献したことによる受賞。民放テレビキー5社共同のテレビ番組の見逃し配信サービスの検討をスタートさせ、著作権問題など関係者間の理解を得ることに尽力し、2015年にテレビ番組の広告付き無料配信サービス「TVer」が開始。現在、「TVer」は、テレビ番組提供のプラットフォームに成長し、様々なデバイスで利用されるなど、放送のメディア価値の維持・向上に大きく貢献した。

■井上 弘氏

1963年に株式会社東京放送に入社以来、営業部門に長く携わりテレビ営業局長、テレビ編成局長などを経て、2002年に代表取締役社長に就任し、経営トップとして同社を導く一方で、日本民間放送連盟においては営業委員長、放送計画委員長などを歴任。2012年に会長に就任し、6年にわたり民放業界を牽引。2012年、民放連会長時、民放テレビは違法アップロード動画をはじめ、視聴デバイスの多様化、インターネット活用によるスポンサーニーズの多様化、新たな動画配信サービスの台頭といったさまざまな課題を抱えており、民放各社がそれぞれの経営判断のもと個別にインターネットを使ったテレビ番組の配信に取り組む状況であった。

民放連会長として、放送のメディア価値向上に関する幅広い検討を推進する一方、民放連を離れて民放テレビキー5社の場ではより具体的な議論を先導し、2014年に5社によるテレビ番組の見逃し配信サービスの検討をスタートさせた。テレビ番組の広告配信は、すでに5社が個別にサービスを開始していたこともあり、5社をはじめとする関係者の理解を得るために腐心した。また、見逃し配信サービスの開始に向けて5社の専門家が技術、営業、著作権などの問題に対応するなか、ネット配信への理解を得るため番組に係る著作権を有する関係者の説得に何度も足を運ぶなど、著作権問題の解決に尽力した。

その結果、2015年10月、5社共同でテレビ番組の広告付き無料配信サービス「TVer」を開始した。見逃し配信サービスとしてスタートした「TVer」は、オリンピックなどのライブ配信や5系列の番組の同時配信、TVerIDによるログイン機能を導入するなど従来のテレビの機能を拡張し、今では在阪、在名局に加えて多くのローカル局が番組を提供する民放テレビの統一プラットフォームに成長した。

今回は井上氏を含め15件で31人が受賞した。贈呈式は4月11日(木)に行われる。

■前島密賞とは

前島密賞は、逓信事業の創始者「前島密」の功績を記念し、その精神を伝承発展せしめるため昭和30年(1955年)に設けられ、情報通信事業および放送事業の進歩発展に著しい功績のあった者に贈呈される賞。また奨励賞はその第66回から創設され、情報通信および放送の分野で現在活躍し今後も功績が期待される者に贈られるものである。

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