米の地下鉄が「柵」を設置。「もっと日本を見習えよ」と言いたくなるわけ

By 佐藤まきこ

日本とは違い、決して治安が良いとはいえない米・ニューヨークの地下鉄。そこで、車掌の安全を守るために、駅のホームに柵を設置する試験が始まりました。しかし、それを見た人からは「愚かだ……」と笑われているのです。

↑もっと安心して利用したいが…

これまでニューヨークの地下鉄では、発砲事件が起きたり、ハンマーを持った男が人を襲ったり、たびたび危険な事件が起きています。そこで、電車が駅に到着したときにホームに乗り降りする車掌を守ろうと、駅のホームに柵を設置するという実験が行われているのです。

しかし、駅のホームに作られたのは、「柵」ではなく、胸の高さくらいまであるオレンジ色の棒。ちょうど電車が駅に着いたときに、車掌がホームに降りる位置に合わせ、その棒が5〜6本立てられているのです。そして、棒に囲まれた部分には「NO STANDING(立ち入り禁止)」の文字が書かれているだけ。

↑これが柵?(画像提供/FOX5/YouTube)

誰でも通り抜けられるし、攻撃から守るような代物ではないことは一目瞭然。事件を起こすような犯人に、「棒で囲まれた部分にいる人には攻撃してはいけない」なんてルールが通用するはずもなく、これを見た人は「なんて愚かなんだ」と嘲笑しています。

今後、数か月をかけてこの取り組みの効果について確認し、すべての駅に設置するか検討するそう。しかし、その効果はもう目に見えているのかもしれません……。

【主な参考記事】

New York Post. Straphangers beat up NYC’s new anti-attack subway barriers that don’t block anyone: ‘It’s stupid’. February 27 2024

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