へき地の物流安定へ…無人機ドローンが4つの離島間を飛ぶ! 奄美・瀬戸内町とJALが運行会社設立、生活物資や医薬品の輸送スタート 鹿児島

医薬品などを搭載し、与路島へ飛び立つドローン=29日午前、瀬戸内町古仁屋

 鹿児島県瀬戸内町と日本航空(JAL)は無人機ドローンを使ってへき地へ物資を運ぶ事業を始め、29日、1便目を飛ばした。官民連携での本格的なドローン配送は鹿児島県内で初めて。大島海峡を挟んで奄美大島と加計呂麻島、請島、与路島の4島に住民が暮らす同町で輸送をスムーズにし、災害時の交通網寸断などにも備える。

 事業は両者の出資する第三セクター「奄美アイランドドローン」が運営する。最大積載量15キロのドローン1機を保有し、当面は市街地の古仁屋と、18キロ離れた与路島、15キロ離れた請島をつなぐ路線を隔週の木、金曜に運航。新聞や給食材料、医薬品を運ぶ。

 輸送料は発送側が負担。災害時には救援物資の輸送などを想定する。29日午前の第1便は、医薬品や新聞を古仁屋港から与路港に運んだ。

 同町の加計呂麻、請、与路の3島は「離島の離島」とも呼ばれ、台風などの災害で定期船が欠航したり道路が通行止めになって集落が分断されたりと、安定した物流確保が長年の課題だった。町とJALなどは2020年に協定を結び、22年からドローン輸送の実用化に向けて実証実験を行っていた。

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医薬品などを積んで与路島へ飛び立つドローン=29日午前、瀬戸内町古仁屋

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