「ブライトンの希望に大きな打撃を与えた」三笘薫離脱による“危機”をクラブ専門メディアが指摘! 「なぜプレーさせたのか?」と責任追及も

プレミアリーグ第26節のエバートン戦を欠場したブライトンの三笘薫。ロベルト・デ・ゼルビ監督は、腰に問題を抱えてのものであることを明かしていたが、FAカップ5回戦ウォルバーハンプトン戦(現地時間2月28日)の前日会見で、指揮官は衝撃的なコメントを残している。

「これは重要な問題だ。おそらく彼は、2か月か3か月間は離脱することになると思う。つまり、彼の今季は終わりだということだ」

今季、ブライトンでの2年目を送っている三笘は、ここまで公式戦26試合に出場し3得点6アシストを記録しているが、その数字以上の影響力を誇り、左ウイングとして相手守備陣に大きな脅威を与えてきた。12月には痛めた足首が完治しないままアジアカップに出場する日本代表に合流し、2試合でプレーしてブライトンに復帰すると、プレミアリーグ2試合で先発出場を果たして鋭いプレーを披露。シェフィールド・ユナイテッド戦では悪質なファウルを受けるもプレーを続け、見る者を安堵させていた。
今季、1901年の創設以来、初めてとなる欧州カップ戦(ヨーロッパリーグ)出場を果たしたブライトンは、クラブとしてステップアップを果たすためにも、来季以降もこの「二足のわらじ」を続ける必要があり、その意味でもこれからノックアウトラウンドに突入するELはもちろん、終盤戦に入るプレミアリーグでの上位キープが必須とされるが、ここまで怪我人続出で苦しんでいたチームが快進撃を展開するために不可欠な存在とされていた三笘自身が、負傷者リストに再び名を連ねることとなってしまった。

彼はSNSに「また離脱することになりました。今シーズンは怪我が続いて悔しい気持ちが強いですが、必ず強くなって戻ってきます。」と投稿したが、彼同様にブライトンのクラブ専門サイト『WE ARE BRIGHTON.COM』も無念さを表わし、「このニュースは、今季プレミアリーグ、FA杯、ELで歴史を作りたいというブライトンの希望に大きな打撃を与えた」と綴っている。

同メディアは、「ブライトンがウインガーにどれほど依存しているかは、三笘、シモン・アディングラ、ソリー・マーチ、アンス・ファティの全員が同時に欠場した時の結果を見れば明らかだ。1月にプレミアリーグで3試合連続無得点を記録したが、これまでのデ・ゼルビ・サッカーでは考えられない不毛の時期だった。しかし、三笘とアディングラが再び連係して起用されると、その結果、シェフィールド・U戦だけで5ゴールをもぎ取った」と、三笘らの重要性を強調する。 そして、今後については「残り3か月を、アディングラとファティのみをウインガーの選択肢とするしかない。しかし、アディングラに対しては、アフリカネーションズカップでのヒーロー的な活躍の後、過度に負担をかけることはクラブが避けるだろう。一方、ファティも筋肉の問題から回復したばかりで、その起用については細心の注意が払われる」と、チームとして心もとない状況にあるとの見解を示した。

その上で、「(本来はウインガーではない)フリオ・エンシソとファクンド・ブオナノッテも選択肢に含まれるかもしれないが、より可能性が高いのは、WBを有する3バックへのシステム変更だ」と、駒不足を解消するために、SBにより攻撃への貢献を求めていくことになる可能性を示唆している。

なお同メディアをはじめ多くの人々が、三笘に膝上を直撃するタックルを見舞ったメイソン・ホルゲイトや、このDFを擁護したシェフィールド・Uのチームメイトらに対する不快感を隠しておらず、三笘の今回の負傷もこれに起因するのではないかという見方があったが、デ・ゼルビ監督は「シェフィールド・U戦の前から痛めていた」と完全否定した。
しかし、このコメントに対して、同メディアは「もし、三笘がブラモール・レーン(シェフィールド・Uのホームスタジアム)への遠征前に腰痛を患っていたとしたら、なぜブライトンは彼をプレーさせることを選んだのだろうか? そして、状況を悪化させた責任は彼らにあるのだろうか?」との疑問を提起している。

そして、「今季、ブライトンのファンがストライプ・ユニホームを身にまとった三笘を見るのは、このスリリングなシェフィールド・U戦が最後ということになってしまった……。そしてもしかしたら、噂されている今夏のバルセロナ移籍が実現し、これがブライトンでの最後の姿となってしまう可能性もある」との懸念も示した。

構成●THE DIGEST編集部

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