川西「みつなかホール」スプリンクラー誤作動、被害総額は2億円以上 感知器前の作業員を煙と認識か

水浸しになったメインホールのステージ(提供)

 2023年10月、施設内が水浸しになった兵庫県川西市小花2の「みつなかホール」について、同市は29日、工事業者の作業員が一定時間以上、自動火災感知器のセンサーの前にいたことでスプリンクラーが作動したことが原因だったと明らかにした。被害総額は2億円以上。現在も修繕工事中で2階のメインホールの再開は8月ごろになる予定。

 事故は23年10月11日午前10時ごろ、メインホールで発生。ステージ上部から1階の文化サロンの床下まで浸水し、全施設が利用停止となった。

 当時、市の修繕工事を受注した業者の作業員がステージ上部におり、赤外光センサーを搭載した自動火災感知器(縦13センチ、横13センチ)の前に20秒以上立っていたという。感知器は上部の両端にあり、センサー同士の間が何かで20秒以上遮られた場合、煙が出ていると認識するといい、スプリンクラーが作動したとみられる。

 市によると、水損による被害総額は約2億500万円。このうちオペラカーテンや照明の操作装置、スピーカーなど再開に必要な修繕費用約6千万円は、施設の指定管理者「市文化・スポーツ振興財団」がいったん負担。ワイヤや床板など残りの修繕費用と、施設利用者に対する利用料の補償など今後新たに発生が見込まれる費用を合わせたうえで、市と同財団、修繕業者の過失割合を出し、負担を決めるという。

 スタジオとセミナー室は4月、文化サロンは8月に再開する予定。(浮田志保)

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