中学教員の不適切指導で生徒が自殺未遂 市教委が陳謝も第三者委は設置せず

守山市教育委員会が入る市役所庁舎

 滋賀県守山市立中学校の元生徒が教員の不適切な指導を苦に自殺未遂を起こした問題で、守山市教育委員会は2月29日、会見を開き、教員の指導について陳謝した。「教員は当該生徒と保護者に誠意ある謝罪を行うべきだと考えている」とする一方で、現時点で第三者を交えた調査の考えはないとした。

 この問題では、元生徒が2019年7月、他の生徒をいじめたと学年生徒指導の教員らに誤解されたまま指導を受けた。元生徒側は、「お前みたいな人間を最低な人間って言うんやぞ」と言われ「最低な人間」と言わされたと訴えている。その後も不適切な指導を受け、21年に自殺未遂を起こした。

 会見で市教委は、「最低な人間」発言について教員が否定していると改めて説明。第三者を交えた調査は現時点では考えていないとし、「不適切だったところは認めて謝罪するなど丁寧に対応してきた。どうしても相容れない部分については保護者と話し、解決の糸口を見つけたい」とした。

 向坂正佳教育長は「当該生徒が教諭からの指導などを通して、現在も心身に不調を来していることはとても遺憾で、大切な中学校生活に苦しい思いがあることは大変残念」と謝罪した。

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