お台場に“没入型テーマパーク”誕生! USJ再建の森岡毅氏が太鼓判「ハラハラドキドキの度合いが違う」

イマーシブ・フォート東京オープニングセレモニーに登壇した森岡毅氏 クランクイン!

完全没入体験が楽しめる世界初のイマーシブ・テーマパーク“イマーシブ・フォート東京”が、3月1日(金)にいよいよオープン。それに先駆け2月29日(木)にはオープニングセレモニーが行われ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させた立役者で、株式会社刀の代表取締役CEO森岡毅が本パークの魅力を語った。

■テーマパークの一歩先へ

今回開業するイマーシブ・フォート東京は、全天候型の完全屋内型テーマパークとしても国内屈指の面積(約3万平米)を誇り、一日中完全没入できる12種類のアトラクションおよび6つの物販・飲食店舗を備えたテーマパーク。ヴィーナスフォートの跡地に誕生し、思わず目を見張る華やかで賑やかなヨーロッパの世界観に包まれる一方、アトラクションのテーマに合わせたダークでミステリアスなエリアも演出し、来場した人がまさにその物語の登場人物の一員、当事者になってのめり込む没入感を楽しめるのが特徴だ。

オープニングセレモニーは、日本を代表する戦略家、マーケターで、経営危機にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをわずか数年で劇的に経営再建させたことで有名な森岡氏のあいさつでスタート。イマーシブ・フォート東京の魅力を自らアピールした。

まず森岡氏は、テーマパークは約半世紀にわたって大きな技術革新がなかなかされないままで、さらに多くのゲストを入場させ、同じような感動を体験させるのが現状のビジネスモデルであることを指摘。その上で難易度の高い「一人ひとりに違う体験を与える」ということに挑戦しようとしたのがイマーシブという形式を使った今回のテーマパークなのだという。

「傍観者として楽しむ従来のライブエンターテインメントは、観客席やパレードルートでパレードを見るという形態で、それはそれで素晴らしいんですけれども、それでは成し得ないところにわれわれは挑戦したかった」「自分の行動や判断が物語に影響を与え、自分が物語の一部になる。あるときは重大な事件を目撃してしまう証言者として、またある時は自分がある1つの犯罪に関わってしまう当事者として…とこういう体験をするときのヒリヒリ感がイマーシブ体験の核になるのです」と森岡氏は話す。

続けて「(イマーシブ・フォート東京)には従来のテーマパークでは成し得なかった領域の“ハラハラドキドキ”があります。ここは僕も1番強調したいと思います」と力説。「安全なところから眺めることでは味わえない、ヒリヒリとしたライブならではの一期一会の感動がここにあるということを追い求めてやってきています。わたしは今の段階で非常に面白いものができたという風に思っております」と自信をのぞかせた。

さらにイマーシブシアターを10個以上集めたテーマパークは世界でも東京だけであることを強調。イマーシブ体験がピンと来ないという人こそ来てほしいとも話し、「多くの感情が芽生えます。それは自分にこんな感覚があったのかとすごく斬新な感動になります」と現状イマーシブ体験が普及していない日本中にユニークな感動を届けたいと語った。

そんな森岡氏率いる刀が手掛けたイマーシブ・フォート東京は、どんなことができるのか?

■“イマーシブ入門”におすすめ

まずイマーシブシアターというのは、“没入型演劇”などと訳される新しいエンターテインメントのことを指す。“客席から舞台を見る”という従来の観劇方法と異なり、観客が建物などを歩き回りながら、物語を楽しむスタイルが特徴だ。

その特徴を大きく感じられるのが、約90分間行われる、大規模ウォークスルー型イマーシブシアターの「ザ・シャーロック」。時代を超えた名作『シャーロック・ホームズ』の世界に没入することができ、広大なスケールで再現された19世紀のロンドンの街並みを歩きながら殺人事件を追っていく。

上映中は、ありとあらゆる場所でそれぞれのキャラクターの物語が展開されており、ゲストはパズルのピースを集めるように、好みのキャラクターを追いかけて楽しむ。事件の手がかりを探るためロンドンの街を駆け巡るシャーロック・ホームズについて行くもよし、事件の容疑者たちの動向を追うのもよし…。好みの体験を自分自身で作り上げていくのが「ザ・シャーロック」なのである。

しかし逆に言うと、従来の観劇スタイルのように“受け身”でいたら置いてけぼりを食らう。あなたが“誰目線”で一連の事件を見つめたいのか…。その選択が重要な鍵となる。一度に全キャラクターの視点を体験するのはもちろんできないので、事件の全貌を明らかにするには何度も通う必要がありそうだ。階段の上り下りや、一刻を争うシャーロックについていく必要があるので、歩きやすい靴と身軽なスタイルで訪れるのがオススメ。もちろんロッカーも用意されているので荷物の整理をしてから挑んでみよう!

■命懸けの鬼ごっこ!

プレビューでも特に人気だというのが、中国NeteaseGamesが開発した非対称対戦型マルチプレイゲーム「Identity V (アイデンティティV)」の世界で繰り広げられる“命懸けの鬼ごっこ体験”ができる「第五人格 イマーシブ・チェイス」。

ゲストは端末を渡され、それぞれがゲームで有効な能力を手にし、仲間と作戦を考えながら、ミッションに挑む。1回あたり6人1グループで、制限時間は3分。ミッションをこなしつつ、ハンターに捕まった仲間を助け、はたまたハンターを引き付けるためにおとりになる…とチームワークが問われるゲームとなっている。ハンターの足音が本当に怖く、物陰に隠れるだけで何もできないという場合も…。最も安価な「1dayイマーシブ・パス・カジュアル」で体験できるので、ずっとこれに並び続けて攻略するという楽しみ方もできそうだ。

このようにストーリーをじっくり楽しむものから、ゲーム性の高いものまで、さまざまなアトラクションが展開される。「1dayイマーシブ・パス・カジュアル」では、「第五人格 イマーシブ・チェイス」「【推しの子】イマーシブ・ラリー」「スパイ・アクション!」「ジャック・ザ・リッパー」「パーティ・フェスタ!」「イマーシブ・ストーリーズ」「ザ・キャバレー」が体験でき、「ザ・シャーロック」「江戸花魁奇譚」「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」が追加で体験パスが必要になる。特に1番価格が高い「江戸花魁奇譚」は参加人数が30人と少人数制で、より自身の“登場人物度”が上がることだろう。

しかし森岡氏は「エンターテインメント通や謎解き好きじゃないと楽しめないわけではありません」と断言。「さまざまなイマーシブの度合いのアトラクションを用意しておりますので気軽に体験していただければありがたいなと思います」と話しているので、まずは気軽なアトラクションからトライするのもいいだろう。百聞は一見にしかず。未知なるイマーシブ体験にダイブすると、自分が特別であると感じさせてくれるステキな時間を過ごせるはずだ。

© ブロードメディア株式会社