外交官が茨城県の魅力体感 県、歴史や文化アピール

偕楽園の梅を楽しむモニターツアーの参加者たち=水戸市常磐町

インバウンド(訪日客)誘客の促進に向け、駐日外国大使館の外交官や外国企業の日本駐在員を対象とする茨城県主催のモニターツアーが29日、実施された。招待した欧米中心の12カ国25人に対し、県内3市町の名所や隠れた観光スポットを紹介、歴史や伝統文化、食といった多分野から茨城県の魅力をアピールした。

外交官や駐在員は「エクスパット」と呼ばれ、日本の国内外に幅広い交流関係を持つ。ツアーはその人脈や発信力に着目し、特に各国の富裕層の誘客につなげるのが狙い。訪問地として米国出身者が運営する盆栽園(阿見町)やワイナリー(つくば市)などを選んだ。

水戸市の弘道館では、市観光ボランティアが史跡を案内するとともに、学問と武芸の両面を重視した武士の学校であることを説明。偕楽園では約3000本ある梅の品種や名前の由来、特徴を解説し、参加者から「梅の見頃はいつですか」などの質問と関心を引き出した。

駐日スペイン大使館のミゲル・ゴメス・デ・アランダ公使参事官は「偕楽園が造られた経緯が分かった。とても興味深く、美しい。幅広く魅力を紹介したい」と身ぶりを交えて話した。

県東京渉外局は「東京からの近さを生かし、魅力的なコンテンツをそろえて誘客を図っていく」と意欲を示した。

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