災害廃棄物撤去「終わり見えず」 トラックで10回以上運ぶも... 能登地震から2カ月、本県ボランティアに記者同行

災害廃棄物が山積みされた仮置き場への搬入を待つ車の列=29日午前9時5分、石川県穴水町川島ツ

 能登半島地震は1日で発生から2カ月となった。住宅損壊が多発した石川県全体でがれきなどの災害廃棄物は約244万トン。平時の年間ごみ排出量の約7年分に当たる。認定NPO法人「とちぎボランティアネットワーク」(とちぎVネット)が支援に入る同県穴水町では、実に96年分の約27万トンが発生しており、廃棄物の片付けにもボランティアの力が求められている。

 穴水港の災害廃棄物仮置き場は29日、受け入れ開始の午前9時前から荷台に廃棄物を満載した軽トラックなど約50台が列を作った。積み上げられたテーブルやたんす、布団などが小高い山のようになっていた。

 自宅が中規模半壊するなどし、トラックで搬入していた同町川島、自営業上野和則(うえのかずのり)さん(71)は「10回以上運んでいるが終わりが見えない。周りには亡くなった人やもっと大きな被害を受けた人もいるので、弱音を吐かずに頑張る」と前を向いた。

 とちぎVネットのボランティアとして災害廃棄物の撤去作業に当たった矢板市、介護福祉士木川佳明(きかわよしあき)さん(50)は「住家の被害が特に多く人手が足りていない。生活再建に向け、少しでも力になりたい」と語った。

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