株主優待が新設ラッシュ!桐谷広人さんも「狙ってます」6000円高級タルトほか“新登場50銘柄”を3名人が辛口判定

キルフェボンのフルーツタルトを前にした桐谷広人さん。「友人と2人で、一気に食べてしまいました」(写真・福田ヨシツグ)

2月22日は、日経平均株価終値が史上最高値の3万9098円をつけた歴史的な一日となった。2月28日終値も、それを上回る3万9208円の高値を記録している。

大相場にひと役買っているのが、今年から始まった新NISA。個人マネーを呼び込もうと、株主優待を新設したり、拡充、復活したりする企業が増えているのだ。

「優待が新設されるとメモをしているんですが、最近メモが追いつかないんです」

と、ノートを見せながら苦笑するのは、棋士で1200超の銘柄を保有する桐谷広人さん(74)だ。

コロナ禍による業績悪化や、機関投資家の批判によって減少傾向にあった株主優待。一転、始まった企業の大盤振舞いに、さっそく桐谷さんも恩恵を受けているという。

「『いきなり!ステーキ』のペッパーフードサービスは、1株1300円ぐらいで買ったのが、優待を廃止して92円ぐらいまで下がり、大損していました。それが、2月14日に500株(約6.4万円)の保有で3000円の自社商品がもらえる優待を発表し、株価が急上昇。2月16日には、160円ぐらいまで戻ったんです」

優待を新設し、大きなニュースになった企業がある。調剤薬局などを展開するソフィアHDは、1月31日にタルトが人気の高級菓子店「キルフェボン」の3000円ぶんのギフトカードを年2回もらえる優待を発表したのだ。

「発表後、2日連続でストップ高になり、利回りが下がってしまいましたね。私は配当利回りと、優待利回りを合わせて4%以上が合格だと思っていて、そろそろ買いたいと思っています。指値を入れて、狙っています」

人気優待株ブロガーのかすみちゃんは、株投資初心者が身近に感じられるRIZAPグループを推奨する。

「今年の3月末(権利付き最終日は27日)に100株保有していると、同社が運営しているジム『チョコザップ』が6カ月間、半額に。400株保有していると、なんと1年間無料になるんです。さらにカタログで使える1万ポイント、RIZAPグループで利用可能な特別優待券5000円ぶんがもらえます。400株は約16万円程度で購入できるので、高利回りでお得です」

桐谷さん、かすみちゃんが「とてもいい拡充」と声を揃えるのが、家電量販店運営のエディオンだ。

「100株で3000円、1年以上の保有で4000円のギフトカードがもらえたのが、今回の拡充で2年以上で5000円、3年以上で6000円ぶんの長期保有優遇がつきました」(桐谷さん)

“優待弁護士” の秋法律事務所代表の澤井康生さん(52)も、同社株を購入した一人だ。

「これまでは生活圏内に店舗がなく、持っていなかったんですが、優待券はWEBショップでも使用でき、電化製品だけでなく、食料品など、使い道が幅広い。非常に使いやすいと思い、拡充のタイミングで新たに買いました」

澤井氏が重宝しているのがQUOカードだという。

「コンビニでお弁当と飲み物を購入するために、3000円や5000円のQUOカードがもらえる銘柄を探しています。旅行比較サイトを運営するオープンドアは1000円ぶんですが、公式キャラのトラベルコちゃんのイラストがかわいくて、気に入ってまして(笑)。今回の復活で、買い戻しました。QUOカードは大手書店でも使えますし、期限もないのでおすすめです」

一方、かすみちゃんは優待で旅行を楽しんでいるという。

「ワキタは、300株購入で大阪にある『ホテルコルディア』で使える3万円ぶんの優待券がもらえます。無料で宿泊できるのが楽しみですよね。私がおすすめしたいのが、多くの企業が導入しているプレミアム優待倶楽部。ポイントをWILLsCoinという電子マネーに交換できて、ホテルの宿泊券やスターバックス、コメダ珈琲などのカフェチケットにも交換できるので使い勝手がいいんです!」

上の表は、今号の発売日までの5カ月間に新登場したおもな優待銘柄を、優待名人3人に判定してもらったものだ。自分に合った名人の銘柄選びを参考に、優待デビューしてみては!?

※株価は2月22日終値

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