夜空に大輪のエール 富山・大山地域で花火、珠洲からの避難者「力が湧いた」

避難者にエールを送ろうと打ち上げられた花火=ホテルテトラリゾート立山国際

 能登半島地震で被災した石川県珠洲市の住民が身を寄せる富山市原(大山)のホテルテトラリゾート立山国際が29日、近くのスキー場で花火約450発を打ち上げた。避難生活が長引く被災者にエールを送ろうと同ホテルの運営会社が実施した。観賞した避難者らは雪が舞う夜空に浮かぶ大輪の輪に歓声を上げ、「気持ちが和む」「本当にありがたい」と感謝した。

 同ホテルは珠洲市からの2次避難者を受け入れ、現在約100人が生活している。

 全国26カ所でホテルを運営する「ホテルテトラ」(北海道函館市)の三浦裕太社長(36)が花火を企画。1口1万円で協賛を募り、取引先など約200社から善意が寄せられた。

 打ち上げは立山山麓スキー場極楽坂エリアで午後8時から約15分間行われ、避難者は外に出たり、ロビーの椅子に座ったりして光のショーを楽しんだ。

 珠洲市宝立町の泉滋子さん(72)は「きれい。拍手をしながら見た」、同所の谷信次さん(73)は「感動して力が湧いた」と笑顔を見せた。「花火を見ている間は地震を忘れられた」と話す人もいた。

 打ち上げ前には富山市の上滝保育園の園児約30人が歌やダンスを披露した。

花火を見て楽しむ避難者ら

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