「ビルドアップする場面がほとんどなかった」原川力がC大阪戦で抱いた危機感「後半はほぼみんな...」【FC東京】

2024年2月24日にセレッソ大阪とのアウェーゲームに臨んだFC東京は2-2と引き分けた。2度のリードを許す苦しい展開ながらも最終的に追いつき、勝点1を拾えた点は評価できるものの、試合内容そのものは決して良くなかった。

4-2-3-1システムのボランチを松木玖生とともに任された原川力は、その開幕戦を振り返って次のように話している。

「いろんな捉え方ができる開幕戦でした。ポジティブに捉えるならあの内容でよく引き分けたになるし、課題に目を向けるならあのような戦い方を続けていたら昨年と変わらないとなります」

C大阪にボールを握られる時間帯が多く、思うようにパスを回せなかった印象があった。2点とも組織的に崩したというよりは個人技でどうにか打開した形で、一方の守備も相手に容易くスペースを与えるシーンが目に付くなど、今後に不安を残すパフォーマンスだった。

「守備に関してはもう少しチームとして守れるはずです。一人ひとりが協力して。局面局面で1対1をやっているだけだったので、もうちょっと近くのポジションの選手同士で協力できればボールは奪えると思います。

攻撃に関してはやろうとしていることをしなくなったというか、ビルドアップする場面がほとんどなかった。まずやろうとしないと変わらないので。ピーター(クラモフスキー監督)は大枠を決めてくれているので、あとはやるのは選手。それをピッチ上でやろうとするところから始めないと」

危機感を募らせている様子の原川は、ビルドアップのどこに違和感を感じているのか? 「周りとの距離感が遠いですか?」と訊くと、こう答えてくれた。

「遠いと感じますし、(C大阪戦の)後半はほぼみんなロングボールを待ち構えている状態だったので。一回ジャジャ(・シルバ)が拾ってチャンスになりましたけど、それも偶発的なものなので、もうちょっと再現性を意識したい。やはり、やろうとするところから始めないとダメですね。そうしないと上積みができないので」

攻撃サッカーを標榜するクラモフスキー監督の下、一人ひとりが指揮官の意図を汲み取ってピッチで表現することが重要なのだろう。果たして、次節のサンフレッチェ広島戦でいわゆる方向性を示せるか。ホーム開幕戦で負けは許されない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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