大阪府にあるアスパークが開発した電気自動車「OWL(アウル)」。停止状態から時速100キロに到達するまでの時間はわずか1.72秒。驚異的な加速力を持つ、“電気自動車界のスーパーカー”です。アウルを開発したのは、自動車メーカーではなく人材派遣会社。なぜ、人材派遣会社が世界最速の加速力を持つスーパーカーを開発するできたのか。担当者に話を聞きました。
加速力が世界最速!
銀色に輝く流線形のボディーのスーパーカー「アウル」。いかにも速そうですが、実は電気自動車です。2019年に日本で生まれたアウルは、停止状態から時速100キロメートルに達するまでの時間がわずか1.72秒と世界最速! 世界記録を樹立しています。
アウルを手掛けたのは大阪府に本社を置く、株式会社アスパークです。最高時速は450キロメートルで、女性をイメージした滑らかな曲線のボディーが特徴です。
ドアはガルウイングになっていて、コックピットはレーシングカーのような仕様になっています。動力は電気なので、走行中の二酸化炭素の排出はゼロ! しかも1時間で80%の充電が可能です。
価格はなんと、日本円で約4億円!
アスパーク 内山翔太さん:
「海外の方からの問い合わせが多いです。中には石油王の方がいました」
わずか5年で最加速のスーパーカーを実現
アウルを製造したのは自動車メーカーではなく、技術者・エンジニアなどの人材派遣会社です。
内山さん:
「創業時から自分たちでモノづくりをしてきたように、世界に発信していきたいという思いがありました。それなら、世界最高加速の電気自動車をつくって、世の中を驚かしていこうよと考えたんです」
プロジェクトがスタートしたのは2014年。スーパーカーの本場であるイタリアの工場で独自のモーターを開発し、わずか5年で世界最高加速のスーパーカーを実現させました。
そこにはさまざまな異業種が集まる、アスパークならではの強みがあったのです。
「20年くらいかかる」と言われた
内山さん:
「当初、この話を自動車関係者にしたときには『20年くらいかかるよ』と言われました。しかし業界の常識ではなく、別の業界の人の知見などいろいろな分野の技術者が集まって協議を重ねて、今のモーターをつくっていきました」
日本生まれのEVスーパーカー。世界中で盛り上がる電気自動車の開発競争でトップをとることができるのか、注目が集まります。
(2022年2月17日放送 テレビ愛知「クルマとミライ」より)