ホタルイカ漁解禁 富山県の滑川漁港で初日106キロ

暗闇に幻想的な青白い光線が輝いていた=1日午前4時25分ごろ、滑川沖

 富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁が1日、解禁された。滑川沖では能登半島地震で海底の地形が変わり、網の設置に時間がかかるなどの影響があったが、滑川漁港では106キロが水揚げされた。定置網などが被災した水橋漁港では432キロが揚がり、好調な滑り出しに漁師や水産業者ら関係者がほっとした表情を見せた。

 滑川漁港で初日の水揚げ量が100キロを超えるのは2021年以来。記録的な不漁だった昨年は59匹(1キロ未満)で、滑川漁業協同組合理事で第三定栄丸の水野豊船頭(50)は「地震の影響を心配していたが、いい量が水揚げされて安心した」と話した。

 滑川漁港は地震で建物や定置網が損傷するといった被害はなかったものの、海底の地形が変わったことで網の設置に必要な資材が増えるなどした。この日水揚げされた分は、市内の水産加工会社が1キロ当たり5590円で競り落とした。

 水橋漁港では被災を受けて設けられた仮設の荷さばき施設で、漁師たちがホタルイカを選別するなどした。1キロ当たり6千円前後で入札された。

 漁は例年、6月ごろまで行われ、3月下旬から最盛期を迎える。

ホタルイカ24年漁獲量2238トン、平年上回る予報 県水産研

 県水産研究所は1日、富山湾のホタルイカの漁況予報を発表した。今年の総漁獲量は2238トンで、平年(過去10年の平均)の1261トンを上回ると見込む。

 2月中旬までの湾内の来遊状況が平年より高水準だったことなどが理由。

かごいっぱいに水揚げされたホタルイカ
漁が解禁され、青白い光を放つホタルイカ=1日午前4時25分ごろ、滑川沖
漁師が網を引くと姿を現したホタルイカ
激しい雨が降る中、解禁された初日のホタルイカ漁
船からホタルイカを運び出す漁師
水揚げされたホタルイカが次々にトラックに積まれていった
網の中で青白い光を放つホタルイカ=1日午前4時25分ごろ、滑川沖(椎名哲平撮影)

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