映像・音声・制御信号伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」無償提供開始

株式会社TBSテレビと、株式会社WOWOWは、TBSで特許取得済みの独自技術(特許第7431207号)を用いた、超低遅延かつ安定性のある映像・音声・制御信号伝送ソフトウェアLive Multi Studio(以下、「LMS」)を共同で開発し、一般向けに無償提供を開始しました。
LMSを利用することにより、遅延をほとんど感じさせない次世代のリモート映像制作の実現などが可能となります。LMSは、macOSアプリ、iOSアプリとして提供されます。また、カナダのDerivative社が提供するビジュアルプログラミング環境「TouchDesigner」のプラグインとしても配布され、TouchDesignerがご利用可能な環境下でもご使用いただけます。

■開発の背景
TBSとWOWOWは2014年より共同プロジェクトとして、複数の映像ソースを同時に視聴できる超低遅延マルチアングル配信アプリケーション「Live Multi Viewing」を開発し、様々な施設や大型スポーツイベント等で採用していただきました。
さらにTBSとWOWOWは、超低遅延で映像・音声・制御信号を送ることができるプロトコル「LMS」を新たに開発。遠隔から番組制作を行うリモートプロダクション内での超低遅延なモニター環境構築やカメラのリモートコントロールでの利用など、両社内での十分な実績を積み、このたび、一般ユーザーも使いやすいソフトウェアとして提供を開始するに至りました。
伝送の低遅延性を強みにカメラのリモートコントロールもストレスなく実現。映像制作分野では、LMSによるリモートプロダクションの実現により制作コストの削減を可能とし、また映像制作分野以外でもイベントやメディアアート、建設等多くの分野における作業のリモート化を可能とします。

■ LMSの特徴
1.現場発信: TBSとWOWOWが独自開発。現場の要求水準を満たす高品質サービス
2.超低遅延: 0.1秒以下の超低遅延伝送と、パケットロス再送要求による安定性も両立(※特許7431207号)
3.簡単接続: インターネット経由にも関わらずポート開放不要
4.制御信号: リモートカメラなどの制御が可能
5.高信頼性: 最新の暗号化技術「ChaCha20-Poly1305」でデータを暗号化

■「超低遅延」技術イメージ(※特許7431207号)

■想定される利用シーン
【リモートプロダクション】
現場から離れた遠隔拠点からも、カメラ操作や映像切替が可能になります。

【番組・動画・イベント映像制作】
スマートフォン(iOSアプリ)カメラも含めて、複数のカメラ映像でのスイッチングも可能な撮影環境作りが個人レベルでも可能。
ライブハウス、劇場、展示場、競技場等で催されるイベントにも活用できます。

【機器遠隔制御】
超低遅延の映像・音声・制御信号を活かし、人の立ち入りが困難な現場の機械コントロールなどが可能。

■ 利用実績
『世界陸上オレゴン』、テニスの国際大会『男子テニス国別対抗戦デビスカップ ワールドグループⅠプレーオフ 日本 vs ポーランド』等のスポーツ中継で利用実績を重ねています。
[事例紹介記事] SUMMER SONIC 2023 での技術検証
https://corporate.wowow.co.jp/news/info/5508.html
※文中の「独自の低遅延技術」は、=現「LMS」を指します。

■ 製品概要
【製品名】Live Multi Studio(ライブマルチスタジオ)
【提供価格】無償
【提供形態】macOSアプリ、iOSアプリ、TouchDesignerプラグイン
【提供方法】会員登録の上、製品ページよりダウンロード可能
【製品ページ】

© 株式会社ジェイプレス社