「非常にもったいない」「目を背けずにしっかりと立ち向かう」山形の渡邉晋監督が千葉戦の2失点目に言及「ラインを上げない選択はない」

「非常にもったいない失点でしたよね」

モンテディオ山形の渡邉晋監督がそう悔やんだのは、千葉との開幕戦の2失点目。3−1で迎えた後半アディショナルタイムの90+5分にサイドから崩されて横山 暁之に蹴り込まれたゴールを指す。

「最終盤の80分過ぎくらいからかな、少しずつ我々が押し込まれる時間帯が増えてきた。それまではほとんど閉めていた中央部が割れ出してやられ始めたと。そこは本当に我々の中では絶対にやらせてはいけないポイントでした。ですので、映像で振り返って『ここは絶対にやらせてはいけない場所』『あるいはやらせてはいけないボール』に対して、どう修正するかを確認しました。ああいうシーンは限りなくゼロにしたいし、失点も限りなくゼロにしたい。そこは我々も目を背けずにしっかりと立ち向かっていきます」

「ただ一方で」と指揮官は続ける。

「それ以外の時間帯は良い守備を披露できていた。こういうところも拾っていかないと。もちろん満足はしていませんが、しっかりやれていた部分も精査しないといけない。全部がダメと言ったら、(選手たちは)自信を失ってしまうので。(メディアの)皆さんはいくらでもやっていただければ構わないですが、我々は当事者としてしっかりとやれたこと、やれないことと向き合いながらやりたいと思います」

2失点目の話に戻れば、ゴールを奪われる前に山形はディフェンスラインをグッと上げている。その裏のスペースをロングボールで突かれたことをきっかけに崩された形だが、それでも渡邉監督は「ラインを上げない選択はない」と選手たちに伝えた。

「引いて守っていればあのようにスペースを与えなかったかもしれませんが、あの時間帯であそこまでラインを上げられるなんて、たいしたものだと思いました。なので、それをやらない選択肢はないと。であれば、相手のキーパーが蹴ったボールに対してもう少しプレッシャーをかけられたらよかった。それが距離的に難しければ、蹴られた先のボールにもっとアタックしたい、そこが中途半端になった。サイドを突破されてこちらが2対1の状況でクロスを上げられたのも良くなかった。あとはクロスに対して戻るべきところに戻れてなかった」

これだけミスが続けば失点するはずで、そのミスを減らせば必然的にピンチを防げる。千葉戦の反省を次節の栃木戦にどう生かすか。渡邉監督の腕の見せどころでもあるだろう。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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