みんなが実際にもらっている年金額を一斉調査! 月の支出や貯蓄額、1日のタイムスケジュールまで気になる懐事情を聞いてみました。厳選5名を紹介
周りには聞けない貯蓄額や普段の生活費、終活についてまとめて調査
登場人物
・ゆめこさん(以下、ゆ)……大正時代からタイムスリップしてきた26歳女性。なぜか、現代社会にめちゃくちゃ詳しい。
・わい(以下、わ)……ゆめこさんの白い飼い犬。お菓子好き。ミーハー。
・有識者のおじさん(以下、お)……難しい単語や複雑な制度を解説してくれる物知りな優しいおじさん。
ゆ:は〜い、ゆめこです。日本のシニアが実際にいくら貯蓄しているのか、気になりますよね。
わ:毎月いくらで生活しているのか? 何にいくら使っているのか? お財布事情も気になるね。
ゆ:そこで、すでに年金を受け取っているシニアを対象にした独自のアンケートを実施。「周りには聞けない貯蓄額や普段の生活費、終活についてまとめて調査」というテーマでお送りします。
わ:気になる人は最後まで見てね!
※リサーチ結果は当chの独自の調査結果になります。
【全体の平均値】
ゆ:今回のアンケートでは、年金の手取り額と月の支出と内訳、貯蓄額のほか、現役時代の職業、持ち家住みか賃貸住みか?、最近買ったもののなかでもっとも高額のもの、人生の最期に向けて、終活として行っていることなどを聞いてみました。
まずは、今回アンケートにお答えいただいた方たちが受け取っている年金額と支出額とその内訳、貯蓄額の平均値を出してみました。こちらをご覧ください
[図表1]平均値
ゆ:1日のスケジュールはこちらのの通りです。
[図表2]1日のスケジュール
特筆すべきは20名中16名が持ち家だったこと。終身雇用が当たり前だった世代のため、長年同じ家に暮らすというのが一般的なよう。
また、賃貸住み4名の家賃平均は63,889円。賃貸住み4名中2名が単身世帯であることが、家賃平均が都内のワンルームの額に近くなっている要因かと思います。
人生の最期に向けて行う「終活」として一番人気だったのはエンディングノートの作成。次に身の回りの物を減らす、捨てるなど。加えて、お葬式代の準備や相続争いでもめないための遺言状の準備などがありました。
【個別に5名ピックアップ!!】
<1人目:千葉県在住74歳既婚男性、Aさん>
ゆ:Aさんは現役時代の職業は地方公務員。子どもは独立、妻はすでに逝去し、一人暮らし。現在の貯蓄額は1,000万円、月の年金手取り額は22万円。月30万円で生活している。
月の支出の内訳は、ご覧のとおり。
[図表3]月の支出の内訳(Aさんの場合)
ゆ:毎月の貯蓄額は0円。住居は賃貸。最近の大きな買い物は、パソコン10万円。
1日の流れ・過ごし方は、ご覧のとおり。
05:00起床
06:00朝食
07:00新聞・インターネットでの情報収集
10:00読書
12:00昼食
13:00散歩
15:00読書
18:00夕食
21:00就寝
ゆ:Aさんのコメント「終活として、エンディングノートを作成しています。後は天命を待つのみ」
有:年金手取り22万円とは理想的ですね。貯蓄1,000万円ということから、現役時代の高収入が予想されます。現役時代の収入の高さが、受給年金の高さに影響する好例です。一人暮らしにしては生活費が高いのは、賃貸の家賃13万円が影響しているようです。
<2人目:岡山県在住75歳未婚男性、Bさん>
ゆ:Bさんの現役時代の職業は会社員。単身。現在の貯蓄額は、1,100万円。月の年金手取り額は、9万円。月4万円で生活している。
月の支出の内訳は、ご覧のとおり。
[図表4]月の支出の内訳(Bさんの場合)
ゆ:不定期だが、毎月だいたい1万円くらい貯蓄している。住居は賃貸。最近の大きな買い物は、食器洗い乾燥機7万円。
1日の流れ・過ごし方は、ご覧のとおり。
06:00起床
07:00朝食
08:00散歩
10:00テレビ鑑賞
11:00図書館
12:00昼食
13:00テレビ鑑賞
15:00おやつ
18:00夕食
23:00就寝
ゆ:終活の準備として持ち物を少しずつオークションなどで売って減らしている。
お:年金手取り9万円と厳しいなか、毎月約1万円の貯金をしているとは立派です。
わ:家賃が2万8,000円と格安なのが家計をぐっと助けてるね!
有:地方住まいならではですね。年金が少なくなりそうな会社員は、現役時代に共済組合や、個人年金保険に加入し、複数箇所から年金をもらえるようにしておくのが大切です。
わ:日々の生活費を抑えるかわりに、生活を楽にしてくれる食洗機には高額でも投資していて、お買い物上手だね!
<3人目:東京都在住70歳既婚男性、Cさん>
ゆ:つづいてはCさん。現役時代の職業は営業系の会社員。妻と2人暮らし。貯蓄額は、2,500万円。年金の受給額は、手取りで夫婦で月額21万円もらっている。月17万円で生活している。
月の支出の内訳は、ご覧のとおり。
[図表5]月の支出の内訳(Cさんの場合)
ゆ:現在、毎月の貯蓄額はなし。住居は持ち家。最近の大きな買い物は、親戚への入学祝3万円。
1日の流れ・過ごし方は、ご覧のとおり。
08:00起床
08:30朝食
09:00散歩
10:00読書
11:30昼食
13:00散歩
15:00喫茶店
17:00時散歩
18:30夕食
その後テレビ
24:00就寝
ゆ:終活の準備として、身の回りの物を捨てている。
有:夫婦で年金手取り月額21万円というと、会社員の夫、専業主婦の妻という、シニア世帯にもっとも多い組み合わせでしょうか。現役時代会社員だった人の老齢年金と厚生年金の受給額の平均は約15万円、専業主婦の老齢年金の平均は約6万でこの2つを合計するとちょうど21万円になります。
貯蓄額が老後資金2,000万円問題を見事クリアしており、Cさんの堅実なお人柄が想像されます。
<4人目:大阪府在住62歳未婚女性、Dさん>
ゆ:Dさんの現役時代の職業は会社経営・コピーライター。現在も継続中です。単身世帯。現在の貯蓄額は500万円。もらっている年金の受給額は、手取りで83万2,464円。特別支給分を現在受給中で、65歳以降は月69,372円に受給額がアップする予定。月10万円で生活している。
月の支出の内訳は、ご覧のとおり。
[図表6]月の支出の内訳(Dさんの場合)
ゆ:毎月の貯蓄額はコロナ禍以降は0円。住居は持ち家。「コロナ禍以降買い物はしていません」とのことです。
1日の流れ・過ごし方は、ご覧のとおり。
08:00起用
10:00在宅でデスクワーク
13:00昼食
13:30在宅でデスクワーク
17:00趣味
18:00夕食(晩酌)
20:00リラックスタイム
24:30就寝
ゆ:終活の準備はまだ何もしていませんが、断捨離を進めていこうと考えています。
有:現在もコピーライターの仕事を継続しており、年金以外に賃金収入があるようですが、コロナ禍以降は貯蓄0円とのこと。年金約7万円、生活費10万円を考えると、現在の月の仕事の収入は3万円程度であると予測されます。
ゆ:現在の仕事の報酬が月3万円以下で、貯蓄を切りくずして生活している可能性もあります。
有:現役時代に自営業やフリーランスとして原いていた方は厚生年金に入れないため、年金額が少ない傾向にあります。
わ:自営業やフリーランスの人が年金を増やしたい場合はどうしたらいいの?
有:そうですね。たとえば「自営業者が入れる上乗せ年金制度」として91年に誕生した「全国国民年金基金」というものがあります。また、民間の保険商品ですと、保険料払込期間に支払った保険料を年金として受け取れる「個人年金保険」というものがあります。積極的に活用していきましょう。
<5人目:北海道在住62歳既婚男性、Eさん>
ゆ:つづいてはEさん。現役時代の職業は公務員。妻と2人世帯。独立している子どもが1人。貯蓄額は4,000万円。もらっている年金の受給額(手取り)は、Eさん本人が月額15万円(公的年金)、奥様が6万円(企業年金)。月25万円で生活している。
月の支出の内訳は、ご覧のとおり。
[図表7]月の支出の内訳(Eさんの場合)
ゆ:毎月の貯蓄額は5万円。住居は持ち家。「最近の大きな買い物は、新車購入320万円」とのことです。
1日の流れ・過ごし方は、ご覧のとおり。
06:00起床
07:30朝食
08:30犬の散歩
09:00投資情報等取得
12:00昼食
13:30ウオーキング
15:00読書
17:00夕食支度
18:00夕食
18:30ナイターテレビ観戦
21:30読書
22:00就寝
ゆ:Eさんのコメント「終活の準備として、投資先と投資の内容等をPCのファイルに保存し、パスワードを含め分かり易いメモを作成。万が一の場合に備えて資産の把握ができるようにしている。70歳になったら、妻と子にPCの資産一覧を見せたいと思っている。」
有:貯蓄額4,000万円のうえ、毎月5万円の貯蓄に成功しており、かなりゆとりある老後です。
わ:毎月の食費8万円、新車購入に320万円とは景気がいいね!
有:たっぷり資産のあるEさんの懸念は老後資金ではなく、相続関係で家族が困らないかのようですね。奥様の受給年金が企業年金のみなのが気になりますが、経済的に理想的な老後と言えるでしょう。
わ:Eさんみたいに公務員の方は年金をたくさんもらえるって本当?
有:かつて公務員が加入できる「共済年金」というものがありました。ですが、「公務員は優遇されている」と指摘があったことから、2015年10月に厚生年金と一元化されました。そのため、2015年10月以前に「共済年金」に加入していたEさん世代の公務員の人たちは、加入期間に応じた職域加算分を受け取ることができます。
わ:以前の制度では、公務員は年金額が優位だったんだね
まとめ
ゆ:いかがでしたでしょう。わたしは貯蓄額が2極化していると感じました。本アンケートでは20名中10名が貯金900万円以上と回答しています。一方、600万円以下と答えた人は20名中8名、うち2名が貯金0円と、貯蓄額の格差が見受けられます。
また、額の大小にかかわらず、貯金がある方は家電や車など、生活を楽にしてくれるものにしっかり投資する傾向が見受けられました。身体が衰えたシニアにとって「いかに身体に負担をかけずに日常生活を送るか」はそのまま人生のQOLに繋がる大事なポイントですね。
また、終活について、20名中11名が行っていると答えています。20名中9名はまだ行っていないと回答しているものの、これからしていく見通しについて語っています。皆さん人生の最期を意識して、準備を進めていっている、あるいは準備を進めたいという意欲をもっていることが分かりました。
今回の年金アンケートから刺激を受けた方も多いのではないでしょうか。ご自身の懐事情とも照らし合わせて、ぜひ参考にしてくださいね。
<ゆめこさんの部屋>
わ:じー。
ゆ:何してるの?
わ:老後資金が足りなくならないように、今からカップラーメン投資してるの。3分以上待つと麺が増えて、同じ金額でたくさんラーメン食べられるの。ワイ、頭いいの。
ゆ:それは麺が伸びてるだけで、増えてるわけじゃないのよ。麺は伸びたら美味しくなくなっちゃうのよ。
わ:ずん!
ゆ:可哀そうな子…。美味しいうちに私が食べてあげるわね。
わ:きゃー。
【アンケート第2弾】シニア世代のリアルな貯蓄額は〇〇円!? 周りには聞けない年金受給額や普段の生活費、終活についてもまとめて調査【老後の生活】