米国防長官極秘入院で公聴会、共和議員「労働者なら解雇」と非難

Phil Stewart Idrees Ali

[ワシントン 29日 ロイター] - 米下院軍事委員会は29日、オースティン国防長官が前立腺がん手術やその後の入院をバイデン大統領らに報告しなかった問題に関する公聴会を開き、共和党議員から糾弾が相次いだ。

マイク・ロジャース委員長は「長官が政権内の誰にも気付かれることなく、3日間も入院していたことは非常に問題だ」と指摘。「ホワイトハウスではオースティン長官の助言は求められないし、聞き入れられないことを示唆している」と述べた。

オースティン氏はバイデン氏やヒックス国防副長官にも昨年12月のがん診断・手術について伝えなかった。また、手術後の合併症で1月1日に入院したときも連絡しなかった。

同2日に集中治療室に移された際には、安全に通信できなくなるため、オースティン氏に付き添っていた側近らが長官の権限を副長官に移譲することを自ら決定。ヒックス副長官はプエルトリコで休暇を過ごしていたという。

ナンシー・メイス議員(共和党)は「米国の労働者があなたと同じことをすれば解雇されるだろう」とオースティン氏を非難した。

また、ジム・バンクス議員(同)が「大統領があなたの辞任を求めなかったことに私は驚いた」と述べたのに対し、オースティン氏は「大統領は私に全幅の信頼を寄せてくれている」と答えた。

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