「4軍」まで持つ強敵も!! まもなく開幕!新加入「くふうハヤテベンチャーズ静岡」は存在感示せるか 

2024年1月から本格始動した静岡県初のプロ野球球団「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。NPBファームリーグ(2軍)とはいえ、国内でプロ野球の球団数が増えるのは66年ぶりということで、地元静岡市を中心にチームへの関心は高まる一方です。3月1日に“前哨戦”となる教育リーグがスタート。3月15日の開幕まで残り2週間となりました。

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本格的な活躍には、あと一歩という意味で、一般的な会話の中でも使われたりする「2軍」。プロ野球では新人の教育やけがで登録を抹消された選手の調整の場として、各球団が運営しています。これまでは「イースタン・リーグ」7球団、「ウエスタン・リーグ」5球団でしたが、くふうハヤテとオイシックス新潟アルビレックスBCの参入で、両リーグのチームの数が偶数になり、試合が組みやすくなるそうです。

「単独2軍球団」ってメリットあるの?

しかし、静岡、新潟ともに「単独2軍球団」です。国内野球の“ヒノキ舞台”ともいえる1軍がない球団にメリットはあるのでしょうか。元球場職員で、観戦初心者から野球上級者までを対象に幅広い情報を発信しているサイト「野球観戦の教科書」の“運営者さん”は「単独2軍の誕生は、選手の活躍の場を広げるほか、野球ファンの獲得にも非常に有益です」と力説します。

「まず日常的にプロ野球チームと試合ができるのは、単独2軍球団の選手にとって自身のレベルアップにつながります」と運営者さんは説明します。

また、試合で活躍すれば1軍を持つ球団への良いアピールになります。技術が向上し、相手の目に止まった選手は「12球団」に移籍したり、ドラフト指名されたりする可能性が開けるのです。

さらにこれまで年に数回しかプロ野球の試合が開催されなかった静岡や新潟のような地方都市にいわゆる「12球団」の選手が試合にやってくるので、野球ファン獲得にも一役買うだろうと運営者さんは予測しています。

「3軍」を持つ球団も増加中

プロ野球チームには、70人ほどの支配下契約選手と育成選手が所属しています。その中で29人しか1軍登録されません(感染症特例で31人まで拡大)。それ以外の選手が1軍入りを目指して、2軍で切磋琢磨しますが、野球のポジションは9つ。限られた席を争うので、当然試合に出られない選手が多く発生します。

こうした選手たちも試合に出られるようにと作られたのが3軍です。3軍監督、コーチを配置し、より多くの選手に指導の目が行き届く環境づくりがされているということです。

この3軍、すべての球団が持っているわけではなく、2023年現在、読売ジャイアンツ、福岡ソフトバンクホークスなど5球団が組織しています。

3軍の試合は運営の都合などから、イニング数が短くなるなど変則的で「非公式試合」として扱われます。試合相手も国内の独立リーグや、大学・社会人チーム、台湾や韓国のチームなど幅広いのが特徴です。

選手の大半は育成選手や高卒ルーキーで、彼らに「試合感覚」を付けさせることも重要な目的だそうです。先出の“運営者さん”は自身のサイトで「そもそも日本プロ野球の育成環境は、3Aから1Aまであるメジャーリーグと比べ劣っていたので、3軍に注目が集まり、日本の選手育成環境が改善することを期待したい」と話しています。

強い球団目指して新制度導入チームも!1年生チームは存在感を示せるか

さらにソフトバンクは、2023年から日本プロ野球界では初の「4軍制」を導入しました。選手育成システムのさらなる拡大が狙いで、今後は3軍は試合経験を重視した育成、4軍は高卒ルーキーや、けが明けなど、体力づくりが必要な選手を所属させているということです。

きめ細かい育成カリキュラムの中で選手同士を競わせ「強い野球」の頂点を目指す「12球団」。そこはまさに、戦場です。新参入の2球団はそれ以上の「勝ちへの執念」で初陣を飾ることができるのでしょうか。くふうハヤテベンチャーズ静岡は3月15日、本拠地のちゅ〜るスタジアム清水でオリックスを迎え撃ちます。

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