“松本人志の女遊び報道”は名誉棄損になるのか?北村弁護士の解説が「参考になります」と注目

2月28日、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)などで広く知られる弁護士・北村晴男氏(67)が松本人志(60)の性加害報道について解説する動画をYouTubeにアップした。

昨年末、『週刊文春』によって報じられた松本の性加害疑惑。「文春オンライン」は1月17日、松本が後輩芸人に対して記したとされる「女性セレクト指示書」があったといい、そこには松本の好きな女性のタイプや職業、NG項目が書かれていたと伝えている。

そのことに関連して、動画内で「週刊文春に指示書の写真が掲載されていたが、その画像だけで筆跡鑑定はできるのか。また、これは物証になるのか」という質問を取り上げた北村氏。「鮮明な画像であることを前提に申し上げると、普段松本さんが書いてる字と今回出された写真を見比べて、筆跡鑑定を行うことは可能だと思います」と言いつつ、筆跡鑑定には限界があると指摘。

「筆跡鑑定ってのは、 裁判所が100%の信頼を置いているものではないんですよね。筆跡鑑定があっても、それが判決に直結するとまではなかなか言いにくいです。明らかに違うようなケース、 『見た目違うよねコレは』というケースは、筆跡鑑定があればよりそれを補強する」と説明した。

また「文春オンライン」は性加害疑惑だけでなく、松本が高級ホテルで性接待を受けていたことについても報じている。このことに触れた「合意の上で性交渉を行ったような記事(単に松本の女遊びに関するもの)が多く見られるが、ただの暴露のように感じる。名誉毀損に当たらないのか」という疑問に対して、北村氏は「そもそも名誉毀損っていうのは人の社会的評価を下げるようなものですから、単に『女遊びが激しかったよね』というのは一般の人はいざ知らず、松本さんについてはあまり名誉毀損になりにくいんですよね」と発言。そして、こう続けた。

「本人がもともとこういう問題が起きる前から、例えば女性とそういう状況に陥ったら、『自分はそういう行為に及びますよ。当たり前だろ、俺は松本なんだぞ』みたいなことをお笑いとして言ってますんでね。

とすると、多くの人のイメージは、松本さんはいわゆる女遊びをたくさんしてた人なんだろうな、というイメージを持っているとすると、 そもそもそれ以上に松本さんの社会的評価を下げることにはなりにくいんですよね。それは名誉毀損にはなりにくいという見方があります」

■女遊びが本当だったら、名誉毀損にはあたらない

ただ一般人の場合は違うと北村氏はいい、「女遊びが激しいってことになると、これだけで社会的評価下げますから」「これ多くの場合、本当であっても名誉毀損になります」と説明。「挙げた事実が、出した事実そのものが、公共の利害に関する事実でなきゃいけない」と述べ、「一般のAさんが浮気いっぱいしてるなんてことは公共の利害に関する事実で全然ないですよね。何の関係もない。そういう事実にあたりませんので、あたらないということは、本当であっても名誉毀損にあたるということになります」と語った。

いっぽう松本の場合は準公人という見方ができるため、「プライバシーに属するようなことも、公共の利害に関する事実にあたるんだっていう風に判断する可能性が相当程度あるんですよね。っていうことは、本当だったら名誉毀損にあたらないってことになっちゃうんですね」と北村氏はコメント。そして、こう話した。

「いろんな話術の中でおっしゃっていた、バラエティ番組の中でそういった話を振られた時に言っていた、つまり『自分は松本だぞ』と。だから、『そういう場面になったら、それは当然性交渉はしますよね』っていう趣旨のことをおっしゃっていた。

そのことを前提に主張されてるという風にすると、ただ単に合意の上で性交渉を行ったという事実を適時するだけでは、 自分の社会的評価は下げたことにならないという、松本さんの社会的評価は下がらないんだ、ということになる可能性の方が高いのかなっていう風に思います。なので、性的な行為を強要したというような事実があったかどうか、これが最大争点ですね」

一般人と著名人の立場の違いを挙げて、自身の見解を述べた北村氏。コメント欄には《北村先生のコメントはとても参考になります》《いつも弁護士としての知識と的確なご指摘、解説などとても興味深く拝聴させていただいてます》《他の方も色々と言われていますが北村さんの見解が一番しっくりきますね》という声が寄せられている。

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