遺族「最大限の求刑」「思い伝わった」 那須雪崩事故公判1年4ヶ月 禁錮4年求刑「相当」と評価

那須雪崩事故で3被告の論告求刑公判が開かれた宇都宮地裁206号法廷=29日午後1時15分、宇都宮市小幡1丁目(代表撮影)

 那須雪崩事故は17回の公判を経て29日、結審した。初公判から約1年4カ月。被害者参加し、法廷で審理を見守ってきた遺族は「最大限の求刑を出してくれた」と前向きに受け止めた。「未来の世代への重要な教訓として意味を持つ」「学校安全の礎となる判断を」。被害者論告では遺族の切なる思いも語られた。一方、最終意見陳述で証言台に立った3被告は淡々とした様子で、多くを語らなかった。

変わらぬ悲痛な思い

 「禁錮4年が相当」

 検察官の言葉に、奥公輝(おくまさき)さん=当時(16)=の父勝(まさる)さん(52)はメモを取る手を止めた。涙をこらえながら天井を見上げた。教諭ら3人の過失を問う中、「厳罰を求めるというこれまでの思いが伝わった」と感じた。

報道陣に結審した裁判への思いを語る遺族代表の奥さん=29日午後4時50分、宇都宮市小幡1丁目

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