【観察眼】中国経済はまた不振?

国際通貨基金はこのほど、今年の中国の経済成長予測を上方修正し、中国経済の成長への楽観的な予測に基づき、世界とアジア新興経済体の成長予測を同時に上方修正した。

国際通貨基金(IMF)はこのほど、今年の中国の経済成長予測を上方修正し、中国経済の成長への楽観的な予測に基づき、世界とアジア新興経済体の成長予測を同時に上方修正した。スイスの金融機関UBSやゴールドマン・サックスなど多くの国際金融機関の最近の報告書でも、中国の消費とサービス業は2024年も引き続きコロナ後の力強い回復の勢いを維持すると指摘している。また、イギリスのエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)などの調査機関も、2024年の中国経済のファンダメンタルズはより安定すると予測している。さらに、米戦略国際問題研究所(CSIS)などの機関は、中国のEV用車載電池、電子製品、鉱物などの分野での力強い輸出実績を高く評価し、多くの中国産業が世界トップレベルの競争力を有しているとの見方を示した。

外資系企業も中国経済の未来の発展状況をさらに楽観視し、対中投資を増やしている。福建省漳州市では、投資総額約448億元(約9330億円)の中国・サウジアラビア古雷エチレンプロジェクトの主要工事が全面的に着工した。広東省恵州市では、すでに300億元(約6250億円)以上を投じたエクソンモービル恵州エチレンプロジェクトに、今年100億元(約2080億円)が追加投資されることが発表された。山東省日照市では、シンガポールの大手企業ロイヤル・ゴールデン・イーグル(RGE)傘下のアジア・シンボル社が、新たに150億元(約3120億円)を投じた紙パルプ・ファイバー一体化プロジェクトが、着工前の最後の審査の認可を完了した。最新データによると、今年1月に中国に新設された外資系企業は4588社に上り、昨年の継続的な増加を背景に、前年同期比で74.4%増と依然として高い伸びを示している。

多くの国際機関と外資企業が中国に「信任票」を投じ続けている主な理由、それは中国経済が持続的な安定の中で進歩を続けているという実績にある。

2023年、中国の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増の126兆元(約2620兆円)を超え、世界経済成長の最大のエンジンとなった。旧暦辰年の年明けとともに、中国は映画、飲食、観光など多くの分野で素晴らしい結果を出した。商務部発表のデータによると、春節(旧正月)期間中の中国の重点小売・飲食企業の売上高は前年同期比で8.5%増加した。春節期間の映画興行総収入は80億1600万元(約1670億円)、観客動員数はのべ1億6300万人に達し、いずれも同期間の新記録を更新した。文化・観光市場も活発化し、全国の有料公演の開催数は1万6300回、観客数はのべ657万6500人に達した。全社会での地域をまたぐ人の移動量はのべ22億9300万人、主要商業圏の客数はのべ2億5000万人に達し、前年同期比18%増となった。

経済成長の背後には、楽観的な市場見通しだけでなく、中国政府が打ち出した関連政策による力強いサポートがある。昨年、実体経済に対する人民元貸付額は前年より22兆元(約460兆円)以上増加した。また、減税、各種費用の削減・免除、税金の還付、特定料金の支払い猶予の実施総額は2兆2000億元(約46兆円)以上増え、民生への投資は確実に保障されている。浙江加力倉庫貯蔵設備株式会社の責任者によると、2023年に同社が国の税制優遇政策を通じて免除された納税額はすでに累計2300万元(約4億7900万円)以上に達しており、2024年にはスマート製造プロジェクトに3500万元(約7億2900万円)を投じる計画だという。企業が高額な費用をかけてスマート化設備を導入する背景には、将来の市場発展への楽観的な見通しに加え、持続的に最適化された税金・費用政策により、企業の資金活用の自由度が拡大されていることがある。

国際社会では「中国経済は崩壊する」「外資が中国から撤退する」といった荒唐無稽な論調がある。幾度となくこのような悲観論が繰り返されるが、現実には中国経済は常に力強い成長の勢いを保ち、強大な強靭性と無限の潜在力を示し続けている。大きな潜在力と活力を持つ市場として、中国の経済成長は世界の企業、投資家、パートナーに数多くのビジネスチャンスをもたらしてきた。中国は世界各国が中国の経済発展を糧に、発展のチャンスを共有し、互恵・ウィンウィンの「パイ」を共に大きくすることを心から歓迎する。(提供/CRI)

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