中国BYD、日本でさらに市場開拓 25・26年に新型EV導入

Maki Shiraki

[東京 1日 ロイター] - 中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)は1日、日本市場で2025年、26年にそれぞれ1車種以上の新型EVを発売すると発表した。昨年参入した日本の乗用車市場への投入を今後も続け、市場開拓を進める。

BYDは25年末までに日本で販売店100店を展開する予定で、現在は開業準備室を含めて51店舗にまで拡大している。23年のEV世界販売は、米テスラを抜き首位となった。

BYDアジアパシフィック代表でビーワイディージャパン社長の劉学亮氏はこの日開いた日本事業の戦略説明会で、脱炭素化を推進する1つの手段としてEVが普及する「この流れは変わらない」と指摘。日本参入から1年が経ち、「一般消費者がEVを拒否せず、(BYDの)ラインアップ(品ぞろえ)から選べるようになった」と述べ、販売を増やす考えを示した。今後投入する車種についての詳細な説明は控えた。

日本では昨年1月に中型スポーツ多目的車(SUV)「ATTO3(アットスリー)」を、昨年9月に小型車「ドルフィン」をそれぞれ発売、乗用車販売実績は1446台(22年は11台)だった。

同社は一部改良したアットスリーを1日に発売。アットスリーやドルフィンの販売強化を優先する戦略などの変更により、以前は昨年中としていた高級セダン「シール」の発売を今年半ばに先送りした。当初は25年までに日本で年2万台程度の販売を目指していたが、現在は販売目標を公表していない。

ドルフィンは24年3月までに1100台の販売を目標に掲げているが、日本での乗用車販売会社BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は「残念ながら、なかなか(目標には)届きそうもないというのが正直なところ」と語り、型式指定の取得が遅れ、多くの車両を同時期に全国へ供給できていない状態が続いていることも一因と説明した。

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