空の安心いつになれば…県内の離島空港は航空管制官が不在、リモート頼り 屋久島沖オスプレイ墜落から3カ月 地元は管制機能強化を要請するが…

海中から引き揚げられ、ブルーシートで覆われたオスプレイ機体の一部とみられる残骸=2023年12月27日、屋久島町船行

 鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故は29日、発生から3カ月となった。同機は航空管制官らがいない屋久島空港に緊急着陸しようと、鹿児島空港(霧島市)の管制に要請後、墜落した。県内の離島空港はいずれも同様に管制官らがおらず、態勢の強化を求める声が上がっている。

 航空機が離着陸する際は、管制官がパイロットに指示を出すほか、運航情報官が無線を使って交信し、気象や他機の情報などを提供する。米軍機のパイロットもこの情報を基に着陸の可否を判断している。

 県内で管制官と情報官が不在の離島空港は種子島、屋久島、喜界、奄美、徳之島、沖永良部、与論の7空港。奄美は那覇空港の情報官が、他の6空港は鹿児島空港の情報官がそれぞれリモートで受け持つ。

 奄美空港は2021年10月、リモートレディオと呼ばれる全国唯一の方式を導入した。360度見回せる高性能カメラを空港周辺に設置。固定カメラ用の55型画面12台と可動式カメラ用の画面2台を使い、那覇空港の情報官が滑走路の状況を確認している。

 オスプレイは昨年11月29日、岩国基地(山口)から嘉手納基地(沖縄)に向かう途中で屋久島沖に墜落。米軍は全搭乗者8人の死亡を認定した。

 事故を受け、屋久島町は1月、離島空港の管制機能強化を国に要望した。町総務課の木原幸治参事兼統括係長は「経済や交流など、島にとって空港はなくてはならない。町民や観光客が安心して利用できるように、より安全な態勢を検討してほしい」と話した。

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