米環境保護局、炭素規制案から既存天然ガス発電所除外 4月策定へ

Valerie Volcovici

[ワシントン 29日 ロイター] - 米環境保護局(EPA)は29日、4月に策定する予定の炭素規制案から既存の天然ガス発電所を除外すると発表した。これに対し、温室効果ガス削減を求める一部の環境保護団体は失望を表明した。

EPAは、既存の石炭火力発電所と新設のガス火力発電所からの二酸化炭素排出を削減するための基準を今春にもまとめる方針だが、ガス火力発電所全体を対象としたより広範な規制については後日改めて提案するとした。

バイデン政権は昨年5月、電力業界の温室効果ガス排出を大幅に削減する包括的な計画を発表。電力会社は何十億ドルもかかる新設備を導入するか、発電所を停止するかの選択を迫られる。

パブリックコメントでは、炭素回収や水素混焼のような広く使われていない技術について、EPAが導入を義務付ける法的根拠があるかどうかが疑問視された。

私営電気事業者の業界団体「エジソン電気協会(EEI)」は、既存の天然ガス発電に対する課題を指摘していたため「EPAがわれわれの懸念を認めてくれたことに感謝する」と表明した。

EPAは意見を再度募るとしつつ、新しい規制案は「より強力で耐久性のあるアプローチ」を取り、二酸化炭素に加えさまざまな汚染物質や有害物質にも対処すると説明した。

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