米地銀NYCB、第4四半期赤字が当初発表の10倍以上に CEO交代

Tatiana Bautzer Nupur Anand Shivansh Tiwary

[29日 ロイター] - 米地銀ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)は29日、2023年第4・四半期の赤字を27億ドルに修正した。赤字額は今年1月末に公表した額の10倍以上に膨らんだ。

最高経営責任者(CEO)の交替も発表。取締役会会長のアレッサンドロ・ディネロ氏を社長兼CEOに指名した。トーマス・カンジェミCEOは2月23日に退任したが、今後も取締役会にとどまるという。

これを受け、同行の株価は時間外取引で21%近く下落。3.82ドルとなった。

同行は1月末に予想外の赤字決算を発表。これを受け地銀の健全性に対する懸念が再燃し、地銀株に売りが広がった。

同行は29日、「経営陣が内部管理に重大な脆弱性があることを確認した」と表明。「効果的ではない監督・リスク評価・監視活動に起因する内部の融資審査に関する」問題があったとしている。

23年に決算を締めた時点で財務報告の内部管理が「効果的ではなかった」として、年次報告書の公表を延期する方針も示した。

グローバル・バリュー・インベストメントのポートフォリオマネージャー兼最高執行責任者(COO)、JPゲイガン氏は「全くの予想外の事態で失望を招く。こうした結果につながった問題を理解し、経営陣がどのような再発防止策を取るかに注目する」と述べた。

NYCBは昨年、経営破綻したシグネチャー・バンクの資産の一部を買収。22年にはフラッグスター・バンクを買収しており、バランスシートが1000億ドルを超え、従来よりも厳格な資本・流動性要件が課された。

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