EXCLUSIVE-UBSの市場支配で当局が調査提言、クレディ・スイス合併受け=関係筋

Oliver Hirt Noele Illien

[チューリッヒ 29日 ロイター] - 経営危機に陥ったスイス金融大手、クレディ・スイスを昨年救済合併した同国のUBSについて、市場支配による競争阻害の観点からスイス連邦競争委員会(COMCO)が金融市場監督機構(FINMA)に踏み込んだ調査を提言していることが、事情に詳しい筋の話で分かった。COMCOは昨年末、買収がもたらす影響についての報告書をFINMAに提出したが、その内容はこれまで報じられていなかった。

UBSを巡っては、買収によってスイスのローン、債券市場で支配的な地位を持つようになったと指摘されており、議員からは競争が阻害されるとの懸念が持ち上がっている。UBSは昨年3月の買収時、クレディ・スイスの国内事業の売却を検討したが、結局手放さないことを決めていた。

提言は拘束力を持たないながら、UBSの規模と支配力についての議論に影響を及ぼす可能性がある。

COMCOはロイターに、FINMAの決定が下り次第、報告書を公表するとし、競争促進を提言する内容だと説明した。

FNMAはロイターに、「合併による競争への影響に関する調査は進行中」としたが、判断を下す時期についてはコメントを控えた。

UBSはコメントを控えた。

消息筋によると、FINMAがCOMCOの提言を支持した場合、どのような選択肢があるかについてUBSは検討している。

ディールロジックのデータでは、合併後のUBSは昨年、スイスフラン建て債券引き受け市場でシェア45%を占めた。

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