チリのSQM、リチウム価格が当面安定と予想 年内の需要堅調見込む

Daina Beth Solomon

[29日 ロイター] - チリのリチウム生産大手ソシエダ―ド・キミカ・イ・ミネラ(SQM)の幹部らは29日、アナリストらとの電話会見で今後3カ月のリチウム価格の安定と年内の旺盛な需要を見込んでいると明らかにした。

同社が28日発表した2023年第4・四半期決算は、電気自動車(EV)用電池に重要なリチウムの価格下落が続いたため、純利益が前年同期比80%強減少した。

リチウムの世界的な供給量は昨年にかけて需要を上回り、供給過剰で価格が下落。リチウム生産世界最大手の米アルベマールなどは人員削減や事業拡大の一時停止を余儀なくされた。

24年は、世界の需要が2割、SQMの販売量は5─10%それぞれ増えると予想されているが、供給過剰で価格は横ばいにとどまる、と同社は警告した。

それでも同社幹部は、下半期の販売量は増加を予測するとともに、第1・四半期の販売量は前年同期を上回るとの見通しを示した。

© ロイター