知床沈没事故賠償訴訟 JCI「検査は適切だった」と主張

知床半島沖での観光船沈没事故を巡り、事故原因は船舶検査の不備にあるとして遺族が国などに賠償を求めている裁判で、被告側が「検査は適切だった」と主張する方針であることが分かりました。

裁判は、おととし4月に小型観光船「カズワン」が沈没した事故について、死亡した甲板員の両親が国とJCI=日本小型船舶検査機構に損害賠償を求めているものです。

運輸安全委員会の報告書などによると、事故の直接的な原因は、固定が不十分だった甲板上のハッチのふたが船の揺れで開き浸水したことと推定されています。

国の検査を代行するJCIは、事故の3日前にカズワンを検査した際、ハッチの開閉試験を省略していました。

JCI側は、おととい付けで東京地裁に提出した答弁書で、「ハッチは外観検査で現状が良好だと確認した」と説明しました。さらに「検査は、外観検査で問題がなければ開閉試験を省略できるとしていた当時の規程に沿って適切に実施されており、検査員には過失がない」と主張しています。

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