琵琶湖の水位、5カ月ぶりマイナス30センチ台に突入

マイナス38センチの水位を示す電光掲示版(1日、大津市瀬田6丁目)

 琵琶湖の水位が1日午前6時、マイナス38センチとなった。ここ1カ月半ほど順調に水位の回復が進み、さらに前日のまとまった雨の影響で、約5カ月ぶりにマイナス30センチ台に突入した。県が「渇水対策本部」を解散するかどうかにも注目が集まる。

 マイナス30センチ台は、昨年10月5日にマイナス38センチを観測して以来。

 水位がマイナス78センチを記録した今年1月4日、県は当面の水位回復は見込めないとして渇水対策本部を設置。同本部は2005年12月以来18年ぶりで、1月の設置は瀬田川洗堰(あらいぜき)の操作規則が定められた1992年以降初めてという。県や市町の庁舎で節水を強化していた。

 仮にマイナス90センチに達し、なお水位が下がる恐れがあれば、県民への節水呼びかけや取水制限の検討を始める「異常渇水対策本部」へ移行することになっていた。

 だが、1月中旬からまとまった雨や雪が定期的に降り、水位も1月25日にマイナス60センチ台に。さらに2月6日にマイナス50センチ台、2月20日にはマイナス40センチ台と回復を続けた。

 2月29日にも琵琶湖流域で16.8ミリの平均雨量があり、翌3月1日にマイナス30センチ台となった。

 琵琶湖の水は京阪神地域で広く活用されるため、大津市の瀬田川洗堰から絶えず下流に流す必要があるが、定期的な降雨の影響で下流の流量も増加。最近の放流量は最小限の毎秒15トンで済んでおり、そのことも水位回復を後押ししている。

 この時期の過去30年余りの平均水位はマイナス9センチ。依然として差はあるものの、渇水対策本部の解散も視野に入ってきた。

 三日月大造知事は2月29日の会見で「3月上旬に水位の状況を見て解散を判断したい。雨や雪解け水でさらに水位が回復することを期待している」と述べた。

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