西宮奈央さんのMASAK KIRA-KIRA #12 キャッサバとココナッツの焼き菓子

マゲランに住む友人から、おいしいキャッサバがたくさん届きました。インドネシアではシンコン、またはウビ・カユと呼ばれるキャッサバは、芋類のわりに味の落ちるのが早いのです。せっかくのキャッサバですから、あれこれ調理してみるものの、どうしても揚げ物になりがち。ほかに何かないものか、と探していて見つけたのが、中米のおやつ「キャッサバ・ポーン」でした。今回ご紹介するのは、キャッサバ・ポーンをわが家流にアレンジしたレシピです。

キャッサバ・ポーンは遠いカリブ地域のおやつであるにもかかわらず、材料を見ると、まるで東南アジアのお菓子のようです。でんぷん質が豊かなキャッサバならではの、しっとりもっちりした食感が魅力で、つい「もう一切れ……」と手が伸びてしまいます。

キャッサバをすりおろす(指をケガしないように注意!)のが若干、手間かもしれませんが、あとは材料を混ぜて焼くだけです。ココナッツはドライのフレーク(memo参照)を使ってください。もっちりした中にココナッツの歯ごたえがあると、おいしさが増す気がします。

お好みでレーズンやカシューナッツなどを入れてもおいしく仕上がります。コーヒー、そして意外と緑茶にも合う異国のおやつ、是非、作ってみてください。

材料(22センチ x 22センチ型)

キャッサバ(皮付き) singkong 800g
ドライ・ココナッツフレーク* kelapa parut kering 80g
ココナッツミルク* santan 200ml
パームシュガー gula palem 200g
無塩バター mentega tanpa garam 80g
卵 telur 1個
ショウガ jahe 20g
シナモンパウダー bubuk kayu manis 小さじ1
レーズン/カシューナッツ kismis/kacang mede お好みで

準備

  • キャッサバは端の硬い部分を切り落とし、10〜15センチ程度の扱いやすい長さに切り分け、厚く皮をむく(樹皮のような外皮の内側に、さらにもう一層、硬い内皮のような部分がある)。キャッサバを手に持ち、1ミリほどの深さで縦に包丁を入れ、そのまま刃を倒すようにすると内皮部分がはがれるので、そのままぐるりと皮をはぐ(上写真参照)。
  • バターを溶かしておく。
  • 型の内側にオーブンペーパーを敷いておく。
  • オーブンを180℃に予熱する。

作り方

1. 皮をむき、きれいに洗ったキャッサバを、おろし金ですりおろす。ショウガも同様にすりおろす。 2. 材料をすべて合わせ、均一になるように混ぜる。 3. オーブンペーパーを敷いた型に流し込み、好みでレーズンやカシューナッツを散らす。表面をフォークなどでならし、180℃のオーブンで50分〜1時間、焼く。竹串を刺して何も付かなければ出来上がり。冷ましてから、食べやすい大きさに切り分ける。

*memo
フレッシュ・ココナッツを使う場合は、熟したココナッツ1/2個分(約200g)を削り、200mlの水を加えて、よく揉んでから搾って、ココナッツミルクを取る。搾った後のココナッツの果肉を乾煎りすると、ココナッツフレークほぼ80gになる。

西宮奈央(にしみや・なお)
イギリス出身の写真家の夫とバンドン在住。ご飯は食べるのも作るのも大好き。インドネシアで簡単に作れる料理をご紹介します。

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