目を吊り上げ、渾身のホバリングで粘着力の強い糸を千切り取る。この必死さこそ野生の矜持 (2023年3月、札幌市) 弥生、3月。幾度かの寒波と暖気を繰り返すうちに、季節は確実に春の兆しをまとい始めた。日脚が伸びるにつれ、あまたの生命がそこかしこでうごめき始めたのを実感する。