バレーボールの令和5年度全国中学生選抜の海外遠征が現地2月19日から26日にかけてイタリアで実施され、男女ともにポルデノーネで開催された「Nations Winter Cup」に出場した。女子は昨年のU16日本代表の面々がそろい、予選を無傷で突破すると、スロバキアとの準決勝、チェコとの決勝を制して優勝に輝いた。昨年末のJOC ジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会でJOC・JVAカップに輝き、今回の選抜チームでキャプテンを務めた忠願寺莉桜(稙田南中〔大分〕3年)がMVPに選ばれた。
この大会は欧州圏を中心とした各国のU17代表チームが参加し、U15で構成された全国中学生選抜にとっては、高さもパワーもすべてが格上。それでも、攻守で他を上回り、その戦いぶりに現地の観戦者や他チームから惜しみない称賛が送られた。
全中選抜を牽引した①忠願寺は堂々のMVP受賞
女子チームは大会を前にミラノにあるイタリアバレーボール協会(FIPAV)の活動拠点で、育成チーム「クラブイタリア」との親善試合を実施。実質、U17イタリア代表を相手に最初は圧倒されたものの、そこでの経験を糧に今大会での優勝へとつなげた。また、ミラノ滞在時の合間には男子日本代表の石川祐希が所属するイタリア・セリエA、ミラノの練習を見学し、バレーボール界のトップ選手の姿に刺激を受けた様子だった。
なお男子チームは事前合宿から課題としていた、チームの雰囲気づくりの難しさを引きずり、黒星が先行する戦いが続いた。それでも予選最終日には選手たち自らがチームや場内を盛り上げて、流れを引き寄せる姿が見られ、イタリアと競り合ったほかチェコとの最終戦は白星で締めくくった。
決勝はポルデノーネの大型体育館で行われ、センターコートで全中女子は戦いを演じた
【Nations Winter Cup/最終成績】
=女子=
優勝:日本/準優勝:チェコ/第3位:ドイツ/第4位:スロバキア/第5位:エジプト/第6位:オーストリア/第7位:クロアチア
MVP:忠願寺莉桜(稙田南中〔大分〕3年)
ベストセッター:姫子松奏音(大阪国際中〔大阪〕3年)
ベストリベロ:吉井美樹(忍岡中〔東京〕3年)
ベストヒッター:バラ・レイマノバ(チェコ)
ベストミドルブロッカー:フロレンティーネ・ロスマン(ドイツ)
=男子=
優勝:イタリア/準優勝:ドイツ/第3位:オーストリア/第4位:エジプト/第5位:クロアチア/第6位:チェコ/第7位:日本
MVP:マニュエル・ズラタノフ(イタリア)
ベストセッター:マッティ・ブルマン(ドイツ)
ベストヒッター:フランチェスコ・クロサト(イタリア)
ベストミドルブロッカー:ジョシュア・フベル(ドイツ)
令和5年度全中選抜の選手とスタッフたち
※吉井の「吉」は、土に口
(取材・写真/坂口功将)