福井県職員の金品受領問題、調査報告書の非開示部分ほぼ公開…元助役との具体的なやりとり判明

大部分が黒塗りだった調査票(左)と今回公開された調査票

 関西電力役員らに多額の金品を渡していた高浜町の元助役森山栄治氏(故人)が、福井県職員にも金品を贈っていた問題の調査報告書を巡る訴訟で、県が調査対象者の回答内容を一律に非公開としたのは違法とする判決が確定したことを受け、福井県は2月29日、非開示だった調査票の一部を公開した。金品の授受や元助役との具体的なやりとりなど、ほとんどの非開示部分が明らかになった。

 聞き取りや書面による職員313人の調査票には▽調査対象者の氏名▽元助役との関係・接点▽金品授受などの有無▽県行政への影響(元助役からの県施策への請託=依頼=の有無)―などの項目があった。今回の公開では、調査対象者の氏名と役職以外の項目は原則として全て開示された。ただし、22人の調査票について、元助役とその家族、調査対象者の職務に該当しない個人情報などに該当する部分は非開示とした。

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福井県幹部の金品受領問題 関西電力役員らが高浜町の元助役森山栄治氏(故人)から金品を受領していたことを受け、県は2019年10月に調査委員会を設置。退職者を含む377人を調査対象とし、聞き取りや書面で313人から回答を得た。同11月公表の報告書によると、現役12人と退職者97人の計109人が森山氏から金品や贈答品を受領していた。県は純金小判と商品券の計20万円相当を受け取った現役1人を戒告の懲戒処分、退職者28人を戒告相当、書面訓戒相当などとした。

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