群馬・高崎市の4歳児死亡 預かり先の妻に懲役7年判決 前橋地裁

 2020年に群馬県高崎市で4歳児を暴行し死亡させたとして傷害致死罪などに問われた埼玉県の無職の女(27)の裁判員裁判の判決公判が29日、前橋地裁であった。橋本健裁判長は「夫の暴行ほどではないが重傷を負わせ、死亡に至った結果は重大」として懲役7年(求刑・懲役8年)を言い渡した。

 検察側は夫(31)=同罪などで懲役10年が確定=との共謀による傷害致死罪の成立を主張し、弁護側は無罪を主張していた。

 橋本裁判長は、夫が20年4月22日に別室にいた女の怒声と物音、4歳児の悲鳴を聞いたとする証言と、自身が頭部へ暴行したとする証言について、共に信用できると判断。腹部の負傷はその際の女の暴行によるものと認定した。2人の暴行に至った感情は異なるとして、共謀は認めなかった。どちらの暴行で死亡したか分からなくても罪に問える刑法の「同時傷害の特例」を適用した。検察側は同月11日の暴行による傷害罪でも起訴したが、判決は暴行罪にとどまるとした。

 判決によると、女は20年4月11日ごろ、当時の自宅で4歳児の腹部に暴行し、同月22日午後には女が腹に暴行後、夫が頭に暴行して、翌23日に外傷性ショックで死亡させた。どちらの暴行が致命傷になったかは分からない。

© 株式会社上毛新聞社