黒犬と歩くフランスの田舎、ピカソの城もある城下町ジゾール

こんにちは、フォトグラファーの吉田パンダです。春とは名ばかりの寒空の下、「きをつけ!」と旧市街の街並みを背景に固まっているのは黒キツネ、スキッパーキのスキです。さて、今日はどこに来ているのかというと、、

こちらです。ノルマンディーの小さな町、ジゾール。コロナ禍の際、テレワークが加速したのも追い風になり、パリジャンがこぞってパリ以外に住宅を探し求めた際に、フランスで2番目に人気だったのがここ、ジゾールなんです。ジゾールといえば、天才ピカソが愛人マリー・テレーズを住まわせるために購入したとされる城、Château de Boisgeloupが今も残っています。それがここのはずなんですが、、。

現在はプライベートギャラリーで、不定期に開館しているようです。

あ、やはりここで間違いありませんでした。「パブロ・ピカソ広場」の文字を発見。

そして向いの通りはパブロ・ピカソ通り。もうどこでもピカソです。

「ピカソさん、今日はお留守ですか、、」

うむ、多分心の中でしか会えないけどね。

「はい、というわけで、旧市街にある観光案内所に来ました!」

はい、案内所前の路地の雰囲気が良さそうだったので、散歩に来てみました。

コロンバージュ(木骨造)の家が並ぶ路地を過ぎると、、

ジゾールに来るのはこれが初めてで知らなかったんですが、案内所の裏はもうそのまま城趾公園でした。

黒犬さん、その道は違いますよー。

先ほどの階段を上り切ると、このパノラマが待っています!いやー、これには我が町も負けた、、と認めました(←何の勝負だったの?)。知人が来たら案内する「ご近所スポット」として、ここジゾールもランクインすること決定です。

というわけで、冒頭の写真になります。はい、気をつけ!

ここはジゾール城跡。1093年、ノルマンディー公国とイングランドを合わせて治めていたイングランド王ウィリアム2世が、ちょうどフランス王国とノルマンディー公国の間に位置する要衝だったジゾールに建設した城砦です。

「イングランド王国+ノルマンディー公国 VS フランス王国」という構図の中で、睨みを利かせていたのがこの城だったわけですが、築城から100年後、当時のイギリス王リチャード1世が十字軍に遠征している間に、フランス王フィリップ2世が占領、城主がいない間に乗っ取ってしまいます。フランス王ずるい!もうこのあたりから、イギリス王家(元はフランス王家)VS フランス王家の100年戦争が始まっている感じがしますね。

1559年に廃城、1862年にフランスの歴史的遺産となり今は兵どもが夢の跡、市民の憩いの場となっています。ピクニックにちょうど良さそうなテーブルも並んでいました。

「唐揚げ&おにぎりでよろしく!」

スキにはりんごの皮だけど、いいね!

城趾公園を歩いたあとは、街の中心にあるカテドラル周辺を歩いてみました。こちらは19世紀の貴族の家にあったものらしいです。何に使われていたのかは、わかりません。

「どれどれ、、」

頭上の装飾が美しいですね。

犬は入れませんが、スキの背後に見えるカテドラルも必見です。

カテドラル内部、右手に見えるのがオルガンへ続くルネサンス様式の階段。今は無くなってしまった絵画を入れる額縁の装飾も、不在がこちらに何かを語りかけるかのようです。

深緑に金の縁取り。小さな祭壇がベージュの空間に映えます。

教会を出て川沿いを歩いていると、クラシックカーを転用したフードトラックが止まっていました。ひとつ2000円超えの巨大ハンバーガーを販売しています。営業は昼と夜のみで、この時は買えずに残念、、おお神よ、、←今!?

さらに川上方面に歩くと、当時は洗濯場として利用されている場所がありました。水が流れていく音が心地よく響きます。

「オレも洗うのか?」

今度、家のお風呂場でね。そろそろ君も洗濯しないと。というわけで、城趾公園が何よりおすすめなパリジャンに人気の町、ジゾールを歩きました。次回は久しぶりに猫と出かけてみます。どうぞお楽しみに。

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