冬の奥入瀬渓流で雪遊びを満喫！

東京住まいのケリーはあまり雪を見たことがありません。でも、先日の降雪の時もそうでしたが、雪が降ったあとのお散歩はとても楽しそう。白くて冷たい“何か”に恐る恐る近づき、そして、踏みしめて退散する──このターンを何度か繰り返します（笑）。

そんなケリーに、もっとたくさんの雪を見せてあげたい。思う存分雪遊びをさせたい。そんな飼い主の夢を、「星野リゾート奥入瀬（おいらせ）渓流ホテル」（以下、奥入瀬渓流ホテル）でかなえてきました。

奥入瀬渓流ホテルにはわんこに関係のない取材で何度か伺ったことがあります。やはり最大のウリは、十和田八幡平国立公園内に位置し、奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテルである、というその立地でしょう。

そして、私見も入っていますが、施設内のフレンチレストラン「ソノール（Sonore)」がすばらしいのです！地元の食材を使ったフレンチやイタリアンというのは、昨今、そう珍しくないコンセプトですが、こちらは料理のレベルがまず群を抜いています。

そして、食材だけでなく、地元ならではの調理法も取り入れているのですよね。後述しますが、演出もナイスです。ちなみに、「もっとカジュアルに食事を楽しみたい」という人にはビュッフェレストランなどの選択肢も。ホテルの目の前にも質の高いイタリア料理店がありますよ♡

さて、奥入瀬渓流ホテル（全187室）には、「愛犬ルーム」が2室あります。51平方メートルの広々としたスペースがあり、うち18平方メートルのプライベートテラスは渓流に面しています。

雪が降り積もる冬の期間は難しいのですが、春夏シーズンはテラスから直接散策に出かけることができるのもいい感じ。専用の足洗い場もあるので、散策後、直接、テラスから客室に入ることも可能。ケージ、消臭スプレー、ペットシーツなど愛犬用アメニティも充実していました。

愛犬と一緒の旅はどうしても荷物が多くなりがち。最低限の荷物で出かけられるのはうれしいですよね。

で、愛犬連れ専用のホテルでは“当然“かもしれませんが、奥入瀬渓流ホテルは“一般”のホテルでありながら、わんこもリードで館内を歩くことができます。これはほんとうにうれしい♡

仕方ないっちゃ仕方ないのですが、ホテルの館内を出るまでケージに入れて散歩に出かけるって、やっぱり面倒くさいんですよね（笑）。そもそも同ホテルの愛犬同伴プラン「奥入瀬愛犬ごほうび旅」で宿泊すると専用のカートを貸してくれるのです。ケリーもこのカート、かなり気に入っていたようでした。

さて、語りたいこと、語るべきことは多々あるのですが、まずは夕食について。前述の「ソノール」の個室には愛犬を同伴することができます。そもそも「ソノール」のコースは、アペリティフを渓流沿いのテラスで楽しんだ後、メインダイニングに移動するというステキしほり演出が施されているのですが、雪に囲まれた奥入瀬渓流の幻想的な景観、わんこを横に置いてのアペリティフ─、楽しくないわけありません。かなり夢見心地になってしまいました（笑）。冬の奥入瀬、やっぱり来てよかったなあ。

とはいえ、メインダイニングでいただくコースも見逃せません。個室に移動すると、専用のケージが用意されていました。わんこを自分の席の近くに侍らせておくこともできるし、ケージに入れておくこともできます。

そして、「奥入瀬愛犬ごほうび旅」で宿泊すると、ちゃーんとわんこ用のごはんもついてきます。これがまた人間もときめくルックスでして、じっくり写真を撮ろうと思ったのですが、ケリーさん、ちゃんと待てずにがっつき始めてしまいました（笑）。まあ気持ちはわかる、どう見ても美味しそうだもんね。

朝食も愛犬と渓流沿いで楽しめるプランが用意されています。私が訪れたタイミングでは、「渓流ブイヤベース朝食」を楽しむことができました。三方を海に囲まれた青森県ならではの、冬の旬を迎えるさまざまな海の幸をふんだんに使ったブイヤベースを、雪に覆われた渓流を眺めながらいただくという、この冬からスタートした企画です。

寒そうに思われるかもしれませんが、風雪を凌ぐことができる半円型のドームのなかには温かい電気毛布（電気ストーブ）が用意されていて余裕、というかむしろ快適です。ブイヤベースもカラダを温めてくれますし。

そうそう、ブイヤベースに南部せんべいを入れていただくという趣向には度肝を抜かれましたが、「考えた人、天才！」と快哉を叫びたくなるような、記憶に残る美味しさでした。

部屋でだらだらしている時を含め、ここで過ごすすべての時間がとーっても楽しかったのですが、やはり個人的な（たぶんケリーも）ハイライトはやはり奥入瀬渓流の散策です。

同ホテルでは年間を通して、奥入瀬渓流を知り尽くしたガイドが3時間ほどのプライベートツアーに案内してくれる「国立公園プライベートツアー」というオプショナルツアーを販売しています。プライベートツアーなのでわんこも参加可能。内容もゲストのレベルやリクエストに合わせてアレンジしてくれるのですが、私のリクエストはもちろん「ケリーとの雪遊び！」。氷瀑を見たり、誰も足跡を付けていない雪の上をわしゃわしゃと歩いたり、冬の奥入瀬を満喫しました。

こんなにもたくさんの雪を初めて見たケリーさん、─というか、病気でほとんど目は見えていないのですが、白く輝いている“何か”は見えるんだろうなあ。近づいて、触れて、「なんだこれ？」のいつものターンから始まり、でも、最後はだいぶ慣れたようで、キラキラと輝く日差しのなか、スノーシューで歩く私たちを必死で追いかけてきました。

雪の上をあまり歩きなれていないこともあり、ちょっとよたよたしていて、それがまたかわいくて♡ とはいえ、「そろそろ帰るよ」と抱き上げると、「え、もう？」となんだか不満気。相当、満喫したようです。帰りの新幹線は乗って2、3分後には爆睡していました。

最後に、今回は営業期間外だったのですが、ホテルから5分ほどの場所に、貸切で利用できる露天風呂「八重九重(やえここのえ)の湯」があります。で、間近に流れ落ちる「九重の瀧」を眺めながら白いにごり湯に浸かれるこちらの温泉には、愛犬用の桶も用意されていて、わんこも温泉浴が楽しめちゃうのです。想像しただけで、こりゃたまらんわ、って感じです（笑）。