キム・ナムジュ、6年ぶりのドラマ復帰を語る 共演したチャウヌは「かわいい弟のよう」

3月1日よりディズニープラスにて独占配信がスタートする韓国ドラマ『ワンダフルワールド』の制作発表会が2月29日に開催され、キム・ナムジュ、チャウヌ(ASTRO)、キム・ガンウ、イム・セミ、イ・スンヨン監督が登壇した。

本作は、愛する息子を殺した犯人を自ら断罪したウン・スヒョン(キム・ナムジュ)が、同じくどん底の人生を生きているクォン・ソンニュル(チャウヌ)と出会い、ミステリアスな秘密が明らかになっていくというヒューマンサスペンス。本作についてイ・スンヨン監督は「喪失の時代を生きる人々が、人間らしさを守るために奮闘する物語」と表現した。

6年ぶりにドラマ復帰をしたキム・ナムジュは、本作で演じた心理学者で有名作家のスヒョンという役どころについて「強い母性愛、そしてジェットコースターのような人生を生きる人物です。負ってしまった傷を癒す中で、強烈で緊張感のあるストーリーになっているので、母性愛、傷、そして癒しに注目してほしい」と魅力を語った。

今までの甘いイメージから一変、これまでにないダークでカリスマ的な演技を見せたチャウヌは、演じたソンニュルについて「傷を負っている人物で、回を重ねるごとにいろいろな秘密がパンドラの箱のように明かされていきます。感情に注目して見守っていただきたい」とコメント。

スヒョンの夫で、不正を暴いてきた元記者・スホ役を演じるキム・ガンウは、「夫として妻を愛し、また父として息子を愛している姿に注目していただきたいと思います」と述べ、スヒョンを姉のように慕うユリ役を演じたイム・セミは、「ユリは一見前向きで明るくてエネルギッシュなですが、一人の人間としてじっくり内面を見ていただきたいです」とそれぞれのキャラクターの見どころについて言及した。

そして質疑応答では、キム・ナムジュとチャウヌそれぞれの共演した感想の話題に。チャウヌは「ナムジュさんとの相性は100点満点だと思います」「台本読みが終わった後の会食では気さくに接してくださって、現場でも2人のシーンは楽しく撮らせてもらいました。悩んでいるところにも意見を述べてもらって、いいお仕事ができたと思っています」と満足げに語った。一方キム・ナムジュは「私は110点です」「星から来た王子様のようなイメージだったんですが、日が経つにつれてかわいい弟のように……弟と言うのもあれですが(笑)。楽しく撮影しました」と笑いを誘った。

また、最近の6年間は自身の子供たちと幸せな時間を過ごし、母としての生活を楽しんでいたというキム・ナムジュ。復帰した感想については「とても緊張していますが、このドラマを撮影するプロセス自体が楽しかったです」と話し、復帰作として本作を選んだ理由として「強い母性愛が説得しました。無念にも子供を亡くしてしまった世の中の母の気持ちを代弁したいという気持ちで選ばせていただきました」と想いを語った。

キム・ナムジュとの共演で印象に残ってることを聞かれると、イム・セミは「とてもかっこよくて、本気で私と向き合ってくださいました。役として、また先輩としてすごく守ってくださいました」と話した。またキム・ガンウは「デビューした時からお茶の間で拝見していたので、夫婦役が果たして務まるのかという心配がありました。この方に迷惑をおかけするんじゃないかと……でも最初の撮影日から壁を取っ払ってくださって、“好きにやってください”というシグナルをいただいたような気がします」と述べ、キム・ナムジュは照れくさそうな笑みを見せた。

そしてチャウヌは「面白いエピソードを思い出しました。野外で撮影していると通行人が通るのですが、一度先輩のファンがいらっしゃったんです。(スタッフが)『カメラに映ってしまうので移動してください』と言っていたんですが、ナムジュさんは『見るならここで見てくださいと席を設けていたんです』と、撮影裏でのエピソードを明かした。これにはキム・ナムジュも「演じながら視野に入ってきて気にはなりましたよ(笑)」と話しつつ、「撮影に協力してくださっている町の方だったで、ありがたいなと……」と当時を振り返った。

さらに、予想する視聴率および公約を質問されると、キム・ナムジュは自身がMBCのドラマに13年ぶりに復帰したことを受けて「23%はどうですか?」と話し、チャウヌは公約をどうするか悩みつつ、「打ち合わせをしてSNSで公開します」とにこやかにコメントした。

また今回の会見で、監督は「漆黒のような暗い雰囲気の中だからこそ、それぞれのキャラクターが美しく際立つ」と語っていた。そんなキャラクターたちの感情は、物語が進むにつれて一体どのように揺れ動いていくのだろうか。

(文=伊藤万弥乃)

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