裏金復活4人とも主導否定 安倍派還流、22年8月協議

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会で発言する(右から)西村前経産相、松野前官房長官、塩谷元文科相、高木前国対委員長=1日

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、衆院政治倫理審査会が1日開かれ、安倍派(清和政策研究会)で役職を務めた塩谷立元文部科学相ら4人が出席した。2022年に安倍派がいったんやめた資金還流の復活を巡り、会長だった安倍晋三元首相死去後の同8月に派閥幹部で協議したと説明したが、いずれも復活主導を否定。最大の論点への明確な証言はなかった。幹部間の主張が合致せず、事実関係に不透明さが残った。

 安倍派はパーティー券販売ノルマを超えた利益を議員に還流。政治資金収支報告書に記載しないよう指示し、裏金化してきた。22年に中止と再開を決めた過程は違法性の認識の有無に関わり、発言内容が注目された。

 1日は安倍派座長を務めた塩谷氏と事務総長経験者の西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長が出席した。

 塩谷氏は幹部協議を22年8月、自身の事務所で1回開いたとし、還流再開を希望する声が多く「具体的に決めてはいないが、継続するしかないという状況で終わった」と説明した。

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会で答弁する西村前経産相=1日午前

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