伊藤美誠「初めてコーチや監督の感覚になった」「安心できる空間を作りたいなと思った」

<ITTF世界卓球選手権釜山大会2024 日程:2月16日~2月25日 場所:釜山(韓国)>

26日、卓球の男女日本代表が韓国から帰国し、都内ホテルにて記者会見を行った。

世界選手権ではテレビ中継などで、ベンチでの伊藤美誠(スターツ)のアドバイスが話題となっていた。今回の記者会見では各選手が伊藤のベンチワークについてを語った。

伊藤美誠本人が語るベンチワークについて

伊藤美誠(スターツ)

今回はたくさんの選手にアドバイスをさせてもらう機会がありました。

私のアドバイス通り、あるいはそれを工夫して試合に入って(それが)あてはまった時に本当に嬉しいというか、初めてコーチや監督の感覚になった感じでした。

今回1番上(早田・平野)でも同世代ということで私自身もアドバイスしやすかったのももちろんありますし、選手の皆さんがベンチに帰った時に安心できる空間を作りたいなと思ったので、木原選手にはたくさん盛り上げてもらって私は落ち着いてアドバイスをするという感じで役割分担がはっきりできたかなと思います。

選手のみんな、そしてベンチにいた2人(木原・伊藤)も本当に楽しく試合を見ることもできたし、試合することもできたんじゃないかなと思います。

伊藤美誠のベンチワークについて

木原美悠(木下グループ)

いつも自分の横で伊藤選手が1分間の間で選手にアドバイスを送っている姿を見てやっぱり試合を見る力、分析する力が本当にすごいなって1番感じました。

張本美和(木下グループ)

普段だと自分では考えられないことや新たな視線からたくさんのアドバイスをいただいて、試合中も心強かったですし、試合をしている時も相槌をしてくださって本当に自分も安心して試合ができました。

平野美宇(木下グループ)

いつもベンチに帰ったら木原選手は常に笑顔で応援してくれて伊藤選手からは冷静にアドバイスを送っていただくことが多くて、2人の力があったから最後まで自信を持って戦えたなっていう風に思います。

伊藤選手は同い年なんですけど、世界の女子の中でも本当にトップ級に頭の回転が早い選手だっていう風に思ってるので、私も見習うところが多いですし、今回は意見を聞いて最後まで中国選手とも戦えたかなっていう風に思っています。

早田ひな(日本生命)

私と美誠は中国選手に勝つイメージを持っている中での会話がすごく多かったんですけど、本当に美誠の要求がきついなって思うぐらいで、1本1本のラリーで「じゃあ次ここ次ここ」みたいな感じで言ってきます。

でもそのレベルじゃないともう勝てないのももちろん分かってますし、自分も中国選手に勝った経験があるからこそそれも理解できるし、それを共有できるのが同級生ならではの良さだと思います。

美誠らしい応援やアドバイス、リアクションを受け入れてくれてる渡辺監督もいたからこそ私らがこうやって完成されたと思うので、そういった部分は試合をしながら美誠らしいなと思いながらやってました。

パリ五輪のリザーブについて

伊藤美誠(スターツ)

私自身もリオの時は平野選手にすごくたくさんサポートをしてもらって、初めてのオリンピックで先輩方がたくさんいる中で同世代がいるっていうのが思いきりできたっていう理由でもあってメダルも取ることができたました。

東京オリンピックでも色々なことを経験したんですけど、早田選手がいてくれたからこそ金銀銅(メダル)を取ることができた。コーチや監督ではできない部分を選手が補ってくれていたなというのはすごく思います。

私自身もアドバイスという面ではすごくいいと思うんですけど、これからオリンピックに出場をしたいっていう選手、オリンピックで金メダルを取りたいっていう選手がリザーブとなって帯同するべきかなって私自身は思ってます。

世界選手権を終えてたくさんの方からパリオリンピックでリザーブとしてみんなのサポートして欲しいというメッセージをいただきました。

本当はアドバイスできるのであればもちろんサポートはしたいっていう部分あるんですけど、そこに行ったら練習相手ももちろんそうですし、選手より先に体育館に行って色々なことをすぐにできるようにしていく。

それを平野選手や早田選手がやってくれていたことだったんですけど、私自身はこういうリザーブという面では今後将来を背負っていく選手が経験すべきなんじゃないかなっていう風に思っています。

文:ラリーズ編集部

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