【弥生賞/追い切り診断】シンエンペラーに迫る「A」の高評価 「闘志満々の雰囲気で抜かりのない仕上げ」

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■トロヴァトーレ

【中間調整】世界を股にかけて活躍した名牝ディアドラを伯母に持つ良血馬だ。昨年9月のデビュー戦、12月の1勝クラス特別・葉牡丹賞と中山芝2000m戦でここまで無傷2連勝。そつなく折り合えて、終いにいい決め手を使える高いレースセンスは血筋の良さの証明と言える。

2連勝したのと同じ中山芝2000mの弥生賞へ進出するのは当初からの予定通り。2月8日に美浦へ戻り、11日の初時計では坂路2Fラップ13秒5-12秒5(馬なり)と軽快に動き、放牧先での順調さをアピールした。1週前のウッド併せ馬では相手馬に取り付き、いつでも抜け出せそうな闘志満々の雰囲気で併入とした。

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【最終追い切り】レース当週もウッドで併せ馬。序盤からかなり速いラップを刻む意欲的な調整で、直線序盤は相手の後ろにピタッとつけ我慢させる実戦想定の内容だった。直線半ばからジワッと抜きに掛かるが、そこまでの鋭さがなく半馬身遅れに留まっている。見栄えは悪いが相手が走り過ぎた感もあるし、トロヴァトーレ自身がマークした5F全体64秒2は自己ベストを大きく更新する数字だった。

【見解】脚元や健康面になんら不安がないようで、予定通りの調教メニューを消化できているのはなにより。最終追いの遅れは相手が走り過ぎたもので、時計面からすれば上々の内容と言えた。きっちり追いつくイメージを植え付けるため、ゴール板を過ぎても緩めず1角あたりまでしっかり追って取り付いていたのは好感だし、体調面がいいからこそエクストラな内容をこなせるということだろう。賞金的には現状のままでは皐月賞進出は微妙で、切符獲得が至上命題の一戦。抜かりのない仕上げで臨んできそう。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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