「パワーカップルでも住宅ローン返済で困窮する」と目にします。合算でどのくらいの年収があるとパワーカップルですか?

パワーカップルの世帯年収はいくら?

一般的にパワーカップルとは、妻も夫もそれぞれが高収入を得ている夫婦を指します。年収がいくらならパワーカップルとするのか、実は明確な定義が決められているわけではありません。ニッセイ基礎研究所では、夫婦それぞれの年収が700万円を超えていることをと定義しており、パワーカップルと呼べるのは世帯年収1500万円前後からと考えていいでしょう。

厚生労働省がまとめた「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」の「各種世帯の所得等の状況」によれば、年収が1500万円以上の世帯は全体の3.6%しかいません。1500万円以上2000万円未満の世帯は2.2%、2000万円以上の世帯は1.4%です。なお、このデータでの中央値は423万円、平均世帯年収は545万7000円となっています。

同調査の「生活意識の状況」を見ると、「ややゆとりがある」と回答したのは5.5%、「大変ゆとりがある」と回答したのは1.1%です。これらの割合の合計は、先ほどあげた年収1500万円以上の世帯数を上回っており、それぐらいの年収があればゆとりを持って生活できることがうかがえます。

パワーカップルの特徴

ニッセイ基礎研究所は、パワーカップルの妻の年代とライフスタイルについて、20〜60歳代を対象に調査した結果を2023年7月に公開しています。この調査によると、小学生の子どもがいる30〜40歳代は20%以上、子どもがいない共働きの40〜50歳代は約20%、子どもが独立している50〜60歳代は20%弱です。パワーカップルは、一般的な共働き世帯よりも子どもの数が多いのが特徴です。

パワーカップルの職業ですが、妻の80%ほどが正規雇用者で、10%ほどが役員という結果が出ています。そして、過半数の人が従業員数1000人以上の大企業に勤務しています。

夫については70%ほどが正規雇用者で、約15%が役員です。夫のほうも約半数が従業員数1000人以上の大企業勤務という結果が出ています。夫婦ともに大企業勤務で正規雇用者が多いのも、パワーカップルの特徴といえます。ただし、公務員や自営業者の妻も少なくはありません。収入の安定や柔軟な働き方を求める傾向が高いのが、その要因にあげられます。

パワーカップルは、70%以上が持ち家です。一戸建て住宅は半数ほどで、マンション居住率のほうがやや高い傾向が見られます。マンション居住率が高いのは、パワーカップルが住まいに利便性を求める傾向が強いためと考えられます。

パワーカップルの世帯年収は1500万円前後

パワーカップルの定義は明確にされていませんが、夫婦ともに700万円以上の年収があればパワーカップルと考えていいでしょう。

パワーカップルは、持ち家率が高く、妻も夫も正規雇用で働く人が多いのが特徴です。勤務先は従業員数も多く、夫は大企業の役員をしている人も少なくありません。妻の中には、安定性と柔軟性を求めて公務員や自営業者として働く人もいます。

出典

厚生労働省 2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況
ニッセイ基礎研究所 パワーカップル世帯の動向-コロナ禍でも増加、夫の年収1500万円以上でも妻の過半数は就労
ニッセイ基礎研究所 パワーカップル世帯の動向(2)生活基盤の状況-小学生の子を持つ30・40代、DINKS40・50代、大企業勤務夫婦、4割が金融資産4千万円以上

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社