試薬事故で肺疾患、賠償命令 旭川医大に1億5千万円

 北海道旭川市の旭川医科大で2009年、指導教官の指示で試薬の廃棄をした際、発生した有毒ガスを吸って肺などに重い疾患を負ったとして、大学の医師だった水元克俊さん(44)が、大学や廃棄を指示した男性教授に約3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、旭川地裁は1日、大学に約1億5千万円の賠償を命じた。

 上村善一郎裁判長は判決理由で、水元さんの疾患と事故との因果関係を認めた上で、男性教授らが「安全を確保するために必要な措置を講ずる義務を怠った」と指摘、大学が賠償責任を負うと判断した。

 一方、男性教授に対する請求は棄却した。

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