FP3最速はキャデラック、好調ポルシェ勢が続く。LMGT3はアストンとフェラーリが接戦【第1戦カタール】

 WEC世界耐久選手権第1戦『カタール1812km』のレースウイーク2日目。中東カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットでは3月1日(金)、予選前最後の走行セッションとなるフリープラクティス3回目(FP3)が行われ、キャデラック・レーシングの2号車キャデラックVシリーズ.R(アール・バンバー/アレックス・リン/セバスチャン・ブルデー組)が最速タイムを記録した。

 週明けの月曜日から2日間の日程で行われたプロローグテストと、前日のレースウイーク走行初日に続き晴天に恵まれたルサイル・インターナショナル・サーキット。この金曜は夕方に予選が控えるなか、60分間のプラクティス3が現地11時から実施された。

 FP3の開始から15分を迎える直前、59号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)がターン5でスピンし、グラベルに捕まったため6分間の赤旗中断があった同セッションだが、これ以外にアクシデントはなく、1周に留まった77号車フォード・マスタングGT3(プロトン・コンペティション)を除く計36台のマシンは精力的にラップを重ねていった。

 そんななかベストラップを刻んだのは、アレックス・リンが乗り込んだ2号車キャデラックだった。チップ・ガナッシ・レーシングが運営するこのマシンはセッション序盤に1分40秒667を記録。同じくセッションの早い段階で自己ベストを出した5号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)を駆るマット・キャンベルのタイムを0.180秒上回った。なお、ポルシェ963は姉妹車の6号車が前日のナイトセッションで1分39秒990というタイムを出しており、それと比較すると両者とも後れを取っている。

 ポルシェは3番手と4番手にも963を送り込み、1分41秒121をマークしたハーツ・チーム・JOTAの12号車に、アンドレ・ロッテラー組ポルシェ・ペンスキー6号車が僅差で続いた。5番手となった94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)もストフェル・バンドーンのドライブで1分41秒176を記録している。

 この後ろには83号車(AFコルセ)と51号車(フェラーリAFコルセ)フェラーリ499Pのペアが並び、プジョー9X8の姉妹車93号車が8番手に。ニック・デ・フリースがベストタイムを出した7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)は1分41秒535というタイムで9番手、フェラーリAFコルセの50号車がトップ10リザルトを締めくくった。トヨタのもう一台、平川亮組8号車GR010ハイブリッドは17番手に沈んだ。

■予選はアストンマーティンとフェラーリのポール争いか

 9メーカー18台が参戦するLMGT3では、ハート・オブ・レーシングチームの27号車アストンマーティン・バンテージGT3(イアン・ジェームス/ダニエル・マンチネッリ/アレックス・リベラス組)がクラストップに。

 2台のフェラーリ296 GT3を抑えて首位に立った新型アストンマーティンは、リベラスのドライブで1分54秒964をマーク。事前に行われた公式テストから好調を維持するビスタAFコルセの54号車を0.053秒の僅差ながら上回ってみせた。

 アストンマーティン、フェラーリ、フェラーリというトップ3に続いたのは、60号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2でタイムは1分55秒260。その後ろに日本のDステーション・レーシングが走らせる777号車アストンマーティン・バンテージGT3がつけ、81号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)がクラス6番手。その背後にマクラーレン720S GT3エボのペアが並ぶトップ8となっている。

 日本勢は佐藤万璃音組95号車マクラーレンがクラス7番手、小泉洋史組82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)が同10番手。木村武史が乗り込む87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)は同16番手となった。このレクサスは、2023年までトヨタのハイパーカーを走らせていたホセ-マリア・ロペスのドライブで1分56秒761を記録したが、トップのアストンマーティンとは1.8秒近いギャップがある。

 これで計3回すべてのプラクティスが終了した開幕戦カタールは、このあと下記のスケジュールで予選セッションが行われていく。新システムとなる予選はシュートアウト方式が採られており、最初のセッションではハイパーカー/LMGT3のクラスごとに全車が登場する。その後行われるハイパーポールは直前の予選セッションで上位タイムを記録した10台が、各クラスのポールポジション以下10番手までのグリッドを争うことになる。

■3月1日(土) ※日本時間

22:00~22:12 予選 LMGT3
22:20~22:32 予選 ハイパーカー
23:40~23:50 ハイパーポール LMGT3
22:58~23:08 ハイパーポール ハイパーカー

27号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム) 2024年WEC第1戦カタール1812km

投稿 FP3最速はキャデラック、好調ポルシェ勢が続く。LMGT3はアストンとフェラーリが接戦【第1戦カタール】autosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄