[上海/香港 1日 ロイター] - 信用取引向け融資を手掛ける中国国有の中国証券金融が発表したデータによると、国内株式市場のショートポジション(売り持ち)は2月末時点で435億元(60億4000万ドル)と、2020年7月以来の低水準となった。
投機を抑制し投資家の信頼を高めるための当局の一連の措置を反映した。
市場を安定させる政府の取り組みが奏功し売り圧力が弱まったことから、優良株で構成するCSI300指数は先月付けた5年ぶりの安値から14%近く反発した。
中国証券金融のデータはデリバティブや株式先物など他のショートポジションは含んでいない。
ウォーター・ウィズダム・アセット・マネジメントのヘッジファンドマネジャー、Yuan Yuwei氏は規制によって「株式ロングショート戦略」をますます取りづらくなったと話した。
「ロングもショートもバリュー投資には有効だ。空売りがなければ市場はボラティリティーに弱くなる可能性がある」と指摘し、規制当局は空売りではなく相場操縦者を追及すべきと述べた。
ファンドの世界的な業界団体AIMAのアジア太平洋地域共同責任者Kher Sheng Lee氏は「規制当局の警戒態勢は市場の安定を保つ上で理にかなっている。だが規制と自由市場の微妙なバランスを取ることは極めて重要だ」と語った。