全国初・和歌山県有田市・ENEOS・サントリーHDが食用廃油とペットボトルのリサイクルで包括連携協定

和歌山県有田市(ありだし)と、石油大手のENEOS()、それに飲料大手のサントリーホールディングスは、食用廃油からのSAF()燃料再生や、使用済みペットボトルを原料に再びペットボトルを製造する、2つのリサイクル事業の促進で協力することになり、きょう(3月1日)包括連携協定を結びました。市町村と2社がこのような協定を結ぶのは、全国で初めてとなります。

有田市は、去年(2023年)10月に和歌山県が策定した「わかやま資源自律経済ビジョン」に加わり、資源の再生への取り組みを積極的に進めています。

この中で、市内のENEOS和歌山製油所跡地が食用廃油から、ジェット機用のSAF燃料に再生するプラントへの転換されるのを機に、使用済みペットボトルを原料に新たにペットボトルを作る水平リサイクル事業に取り組むサントリーホルディングスと連携することで、有田市をあげたリサイクルの輪を作ろうと、三者が包括連携協定を結んだものです。

有田市でのリサイクルのイメージ図

有田市では協定に基づき、ことし(2024年)7月ごろをめどに、市内の家庭や事業所に食用廃油を回収する容器を配布してENEOSがSAF燃料に精製する事業と、使用済み飲料用ペットボトルをサントリーホールディングスが水平リサイクルで新しいペットボトルに再生する事業の実証実験を行う方針です。

包括連携協定書に押印する望月市長(中央)

有田市の望月良男(もちづき・よしお)()市長は「このような取り組みは、わたしたち有田市の誇りにつながる一歩目だ。地方の責任として、しっかり市民と共に取り組みたい」と意気込みを語りました。

なお、この事業では、廃油からSAFへの生成過程で生じるバイオナフサもペットボトルの原料になるため、石油燃料を使わないペットボトル製造にもつながり、3者の効果的な連携が期待されます。

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