鹿児島湾で赤潮、被害額は1億円超える 桜島周辺3漁協でブリ類4万5000匹死ぬ

(資料写真)

 鹿児島県は1日、赤潮警報を出している鹿児島湾で、ブリ類の養殖魚4万5400匹が死に、被害額が1億1500万円に上っていると発表した。同日までに桜島周辺に養殖場を持つ3漁協から報告があった。県内の被害額が1億円を超えたのは、八代海で発生した2019年以来。鹿児島湾では03年以来約20年ぶり。

 内訳はブリが2万1200匹で6700万円、ヒラマサが1万7400匹で2900万円、カンパチが6800匹で1900万円。牛根漁協、東桜島漁協、鹿児島市漁協桜島支所の計11事業者が被害を受けた。

 県水産振興課の外城和幸課長は「細胞数は減少傾向だが、予断を許さない状況が続く。引き続き餌止めや粘土散布などを呼びかけていく」と話した。

 県は2月14日、鹿児島湾で有害プランクトン「ヘテロシグマアカシオ」の増殖を確認し、赤潮警報を発出。2日後に対策本部を設置した。各漁協はいけすの避難を始めたが、19日には2漁協から「魚が死んでいる」と報告を受けた。

 同課は、同湾での被害拡大は、ヘテロシグマが好む水温や競合種の珪藻(けいそう)類が少ない海洋環境が続いたことが要因とみている。03年はブリ、カンパチ計12万7000匹が死に、1億6700万円の被害が出た。

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