笠岡湾干拓 探鳥会の後援取り消し 市教委、太陽光パネル巡り対立

 笠岡市教委は1日、市内の愛好家でつくる「笠岡野鳥の会」が笠岡湾干拓地で計画する探鳥会の後援を取り消したと明らかにした。市と野鳥の会は干拓地内への太陽光パネル設置を巡って対立しており「後援した場合、設置に反対の会に理解を示していると取られる恐れがある」としている。

 3月定例市議会代表質問で藤井義明氏が経緯の説明を求めたのに対し、市教委の森山一成教育部長が「4月の市長・市議選を控え、市民の間でさまざまな考え方があることに考慮した」と述べた。

 市は再生可能エネルギーの普及に向け、ため池を活用した太陽光発電を推進。笠岡湾干拓地の寺間遊水池では民間企業による導入計画があり、同会は渡り鳥の貴重な休息地だとして反対している。

 探鳥会は3月10日に予定。2月5日に担当課が後援申請を受けて許可したが、反対運動があることを踏まえてあらためて検討し、同16日に取り消しを伝えた。野鳥の会は「野鳥の魅力を知ってもらうためのイベントで残念だ」と話している。探鳥会は予定通り行うという。

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